コラム


by katorishu
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これでいいのか著作権法違反の罰則強化

 12月6日(水)
■社民党議員の保坂展人のブログをはじめてのぞいたところ、「著作権法違反の厳罰化とネット監視社会への危惧」というのが載っていた。
《12月1日(金)の午前中、文部科学委員会のわずか2時間10分のスピード審議で「著作権法改正案」が自民・公明・民主の賛成、社民・共産の反対で可決した。私は、委員会審議の中で、政府が検討しているダウンロード規制について触れて、「海賊ソフトが著作権を侵害している事実はある。ただ、違法コピーであっても個人の利用にとどまる限りにおいては認められているPCへのダウンロードの「禁止と処罰」を盛り込んだ著作権法改正案を提出する前に、「懲役5年→10年 罰金500万円→1000万円」と引き上げるのは順番があべこべではないかと警鐘を鳴らした》

■すこし長くなるが、さらに引用したい。
《違法コピーの「個人の利用」について、禁止行為となり処罰規定が創設されれば、PCのアクセス内容が捜査対象となる。普通は「個人の行為」は、誰にも知られない時間と内容が多く含まれる。個人が24時間監視されている人はいないだろうし、プライベートな時間には秘密性・匿名性が含まれている。ところが、多くの人が御存知であるように、コンピュータが何時何分、どのサイトにアクセスしたかは履歴として刻まれていく。今回、共謀罪と一緒に法務省が提案しているサイバー犯罪対策を見ると、容疑が浮上した段階でプロバイダーに「サーバーの保全要請」をかけることが出来るようになる。つまり、サーバーに残る「アクセス記録消去禁令」だ。
 ネットの世界の「個人の時間」を100%把握することが可能となる。しかも、捜査当局は「著作権法違反事件」の捜査のために、インターネットに向かう全国民を監視対象とすることになる》
 さらに続くのだが、これ以上「無断引用」すると「著作権違反」になりかねないので、興味のある方は保坂氏のブログをのぞいてください。

■違法コピーや作品等の著作権の侵害は論外だが、「著作権保護」という名のもと、これが、メディア規制と言論統制の流れになっていくおそれがある。ぼくは旧社会党の尾てい骨をひく社民党の政策に距離を感じている者だが、保坂氏の指摘は納得できる。今年急にでてきた「共謀罪」とか、すでに施行されている「個人情報保護法」など、「民主主義社会」となじまないものが、ぞくぞく生まれている。

■どうも小泉政権ができてから、国家、国家という声がかまびすしくなり、国民を国家に従属させようという政策が目立つ。国際環境がちがうし、戦前の統制国家にもどることはないと思うが、「お上」の力がこれ以上強くなることには大反対である。法による規制はいつも「侵害」を守るという美名のもとに作られる。「言論の自由」これが何より大事である。社会のリーダーたちが数々のモラルの荒廃を象徴する「悪」を行っているのに、教育の現場や法律で「モラルの回復を」といっても、鼻じらむだけである。

■今なにより大事なことは、政治家や高級官僚、会社経営者ら、リーダー層が襟を正すことだ。我が子を権力で「活用」したり、世襲で議員をつくるなど、モラル荒廃のお手本である。いくら我が子がかわいいといっても、世襲は町工場のレベルにしてもらいたいものだ。そういえば北朝鮮のトップリーダーも世襲でしたね。金総書記は世襲の害悪をもっとも端的に示す見本です。「格差の世襲」も大いに問題で、この傾向がつづけば社会から活力が失われ、少子高齢化のなか、日本は確実に亡国の道を歩みますね。
 そういえば村上ファンドとの深いかかわりを指摘された日銀総裁も居座ったままですね。
by katorishu | 2006-12-07 00:49