コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

様変わりする街を「進歩・発展」とは呼べない

 12月11日(月)
■所用で田町駅近辺にいった。東口方面で芝浦工業大学のある海側である。以前とくらべ相当様変わりしていた。地元企業に勤務する某氏の話では隣の品川駅に新幹線が停車するようになってから、界隈の光景が変わったという。以前、倉庫であったところに近代的なビルが建ち並び、20階、30階建ての高層マンションも多い。

■以前はどちらかといえば野暮ったい印象の町で、ブルーワーカーの多く働く町であったのだが、最近はIT関係の企業の社員が多いようだ。店も当然、新しい町に応じて様変わりしていく。この界隈から、品川、台場あたりに続く東京湾の「臨海地帯」が今や、東京でも最先端の街に生まれ変わりつつある。

■それを「進歩・発展」ととらえる人も多いようだが、ぼくにはある種の「砂漠化」現象に思えてしまう。自然が後退し、人工的な空間が増えることは、ひところまでは「進歩・発展」であり、人々に幸せをもたらすことであったようだが、ここまで人工的なものばかりになると、異議をとなえたくなる。

■ぼくの住むあたりも含め、この界隈は埋め立て地でもあり、大地震がきたら液状化現象がおき、高層の建物が大きな被害を受けるのではないのか。地震などに当然、備えた耐震設計をしているのかもしれないが、液状化現象におそわれたら、ひとたまりもない。
 
■夕方近く、朝日新聞社等で仕事の打ち合わせ等々。おとといの風邪がまだ抜けきっていないので、途中、よく声が出なくなった。トイレの鏡で見る我が顔は青白く、半病人の顔であった。加齢というのは悲しい現象である。以前に比べ根気が続かなくなった。それでも書きたいものがいくらでもあり、それを掲載してくれるメディアがあるのは幸いであるが。

■定年退職したら仕事は一切せずに年金で遊んで暮らすという人がいるが、その気持ちがぼくにはよくわからない。仕事があるからこそ「遊び」の楽しさ面白さがあるはずであり、遊びばかりで時間を埋めたら、まったく楽しくない。三度三度、ご馳走を食べていたら、ご馳走がご馳走でなくなるのと同様である。年金で遊んで暮らせる人は、せめてボランティアなどで社会にもっと貢献して欲しいものだ。日本は先進国の中で、この点でも一番遅れている。
by katorishu | 2006-12-12 00:25