コラム


by katorishu
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「都知事スキャンダル」を週間新潮が報じた意味は重い

 12月14日(木)
■夕方、吉祥寺の「魚徳」という寿司屋で、都立国立高校の「ミニ同窓会」。卒業してから初めて会う人や、過日の同窓会で会い、再会した人など、心おきなく話せる人たちで、しばしの息抜きになった。「魚徳」の主人は同級生である。10数人の集まりだったが、武蔵野市界隈に子供のころから住む人が多く、彼らはときどきこの店にやってくるようだ。懐旧談とともに、これからの「第二の人生」をどう生きるか等々、話が弾んだ。

■会社を早期に退社して画家としての道を歩もうとしている人や、ライブハウスのハシリである「曼荼羅」のオーナー等々。曼荼羅のオーナーのW氏とは「同じ業界だったのか」とお互い認識し合い、そのうちなにか舞台なども――という話にもなった。『北京の檻』を買って読んでくれている人もいて、著者としてこんなに嬉しいことはない。若い時期、同じ場所でともに学んだ仲間同士の間には格別の空気が漂う。年末で時間調整が厳しかったが、明日締め切りの原稿を睡眠時間を削って仕上げてかけつけてよかったと思った。

■本日は木曜日なので、週間文春と週間新潮の発売日でもある。『都知事ピンチ!と囁かれる「赤旗・石原戦争」の鍵を握る「女」』というタイトルを見て、週間新潮を買った。昨年の衆議院選挙で石原都知事の三男が当選したが、そのお祝いの食事を日本航空の筆頭株主である糸山英太郎氏が中心になって吉兆で開いたが、その際、脱税容疑で逮捕された水谷建設の元会長や糸山氏ほかが、2000万円の現金を石原氏にわたしたとのことだ。この関連で500万を「立て替えた」という芸能プロの女社長の口から暴露されたようだ。政治資金規正法に届けていないとのことで、渡した側が見返りを求めたとすれば、贈収賄に発展する。

■これまで出版社系の週刊誌は、石原都知事についてのマイナス情報を流すことはほとんどなかったのだが、スキャンダルをトップで報じたのである。このことの意味は案外重い。ほかの件でも特捜が動いているというし、権勢をふるってきた石原都知事も窮地に追いつめられつつある。長男のあと三男を国会議員にさせ、さらに来年の参議院選に次男のタレントを――といった噂も流れていた。四男の画家への一種の便宜供与も指摘されているし、来年の都知事選挙で3選を目指すというもくろみは破綻する可能性が強い。

■「長く権力の座にあると必ず腐敗する」といわれるが、文人政治家、石原慎太郎も、その弊害をまぬがれなかったということか。「贈収賄」も視野において捜査当局も強い関心をよせているという。一連の自治体トップの連続逮捕に続き、東京都も予断を許さなくなった、と週間新潮は書いている。よほどの確信があって書いたに違いない。 強面の石原氏に対してはマスコミは妙に及び腰で「欲求不満」もたまっているはずである。そんな「欲求不満」を今後一気に晴らす展開になるかもしれない。
by katorishu | 2006-12-15 02:13