金総書記は元気そのものだという情報
2006年 12月 22日
■北朝鮮の核問題を話し合う6ヶ国会議が4日目をむかえるが、日本にとってはかばかしい進展はないようだ。過日、日中をしばしば往復している中国・朝鮮情報に詳しい研究者から直接聞いたことだが、金総書記は核実験後の「経済封鎖」などにまったくめげずに元気そのものであるという。なんという週刊誌であったか、金総書記が糖尿病で50メートル歩くと椅子に座り込む状態と報じていたが、実情は違うという。北朝鮮と国境を接する中国東北部の朝鮮族居住地区の人から聞いた、とその人は話していた。
■駅でたまたま買った夕刊フジによれば、金総書記は新たな核実験を示唆したとのことだ。拉致問題は完全に無視されており、日本の対北朝鮮外交は失敗であったことが明らかになりつつある。この問題で中国に目が向いているが、ポイントを握っているのは案外、ロシアではないのか。
そもそも金日成を「抗日運動の英雄」としてでっちあげ、北の独裁者に仕立てあげたのはソ連のスターリンであるし、プーチンは旧ソ連の尾てい骨をひきずっている。
■対ロ外交は鈴木宗男氏や外務省のロシア通の佐藤優氏の逮捕以降、あまり機能していない。とくにロシアとの強いパイプをもっていた佐藤氏を逮捕して、外交から排除してしまったことが、今になって悪く響いている。マスコミも当時、この二人を悪の権化のようにたたいた。
鈴木氏は清濁併せのむ政治家で、たたけばほこりが出る人のようであったが、彼の逮捕と抱き合わせで、外務省の策略もあってついでに佐藤氏を逮捕した。このことが対ロ外交にもたらしたマイナス面は大変なものだ、とロシア情勢に詳しい知人のジャーナリストなどは一様にいう。
■このままたいした成果もなく、6カ国会議が終われば、強引に核兵器をもってしまったほうが勝ちだという価値観を世界に植え付けてしまう。最大の核超大国アメリカが、積極的に軍縮を提唱するか自ら核兵器の削減へ向けて努力する、とでも宣言するくらいの大胆な政策変更をしないと、事態の好転はのぞめないのではないか。「好転」とは北朝鮮に核兵器を廃棄させることである。さらに、その他の国が核兵器の削減に向かって努力をはじめることである。でも、そうはならないでしょうね。我欲、強欲の権化がリーダーの国ばかりなので。
■少子高齢化が予想を超えて進み2050年には65歳以上の「老人」は4割をしめる、と昨夜、政府の関係機関が発表した。今のままの政策がつづけば、この割合はさらに増え5割が「老人」ということになるだろう。これはかなり恐ろしい数字である。
年をとっても健康で働ける老人が多ければいいが、恐らく寝たきりで介護を必要とする人が厖大な数にのぼるだろう。そんな老人たちを若い世代が支えられるはずもなく、年を取ったら早く死ぬことが「国家への最大の貢献」などという事態になりかねない。
社会のシステムを根本的に変えていかなければ、この問題を解決できない。
■そのためには、アメリカ主導のグローバリゼーションから距離を置くことです。アメリカと日本は、歴史も伝統も国民性も違う。自然を力で制服するという欧米型の牧畜民の「キリスト・ユダヤ原理主義」から一定の距離をおき、自然と調和して生きるリサイクル社会を構築するしか日本の明日はない。そう思うのですが、商業主義にあおられて、すっかり欧米型のライフスタイルが身につき、それこそが「幸せの形」だと思っている人が今や過半数を占めている。
従って、日本がこの路線を変えることはむずかしいでしょうね。テレビの番組などもそうですが、今の日本をおおっているのは悪しき「ポピュリズム(大衆迎合主義)」なのですから。ポピュリズムにおいては常に悪貨が良貨を駆逐するものです。
一人一人は賢明な選択をしているようでも、マスとなると「空気」に流され悪しき選択をしてしまい勝ち。
歴史的にみて、文明は大衆化されたとき衰亡に向かうそうです。