コラム


by katorishu
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メディアリテラシーが今こそ必要なときはない 

 1月2日(火)
■午後1時起床。書きたいこと書かなければいけないこと等がいろいろとあるので、正月気分にひたってもいられない。早くもいつもと変わらない執筆作業開始。それと資料調べ、読書等で起きている時間はつぶれる。(注文原稿のほか「自発的に(発表するアテもなく)」書いている原稿もあるもので)
 居間で炬燵にあたりながら膝上に携帯用のパソコンを置き、横目でつけっぱなしのテレビをちらちら見ながら仕事をすることも多い。(昔から「ながら族」なので、どんな雑音の中でも仕事をしようと思えばできるのです)ケーブルテレビのBBCやディスカバリー、ヒストリーチャンネル、あるいは朝日ニュースターなどに、どうしてもチャンネルをあわせる。

■ニュースはTBS系のデジタル・ニュース専門チャンネル「ニュースバード」が24時間、ニュースを流しているので重宝する。ここに出ている女性アナウンサーはたんたんとニュースを読むだけで、地上波テレビの「タレントアナ」のように妙に媚びた表情をつくったりシナをつくったりしないところが、いい。まずきちっとした日本語を話せと「タレントアナ」にはいいたい。彼女たちより、彼女らの上司、経営者にいうべきことかもしれないが。この点でNHKのアナウンサーは訓練をし「資質」で採用している人が多いのだろう、比較的、聞き苦しい点がすくない。しかし、海外ニュースはともかく、国内ニュースの場合、「中庸」を心がけるあまり、どうしてもつっこみが浅くなる。BBCのニュース報道を見習ってもらいたいものだ。

■80年代、フジテレビが「俺たちひょうきん族」を放送したころ、アナウンサー、とくに「女子アナ」が「タレント・アイドル化」し「ひょうきんアナ」などの名称で売り出されたが、そのころからテレビが強大な影響力をもつようになった。それまでニュースなど見なかった人たちがニュースを見るようになったことなのかどうか。
 かくて政治も社会も犯罪までもが「劇場型」にかわっていき、そんな流れを肌で敏感に感じ取った小泉元首相が、意図してかどうか、「ワンフレーズ政治」で「劇場型政治」を演出し、本を読まず情緒的に動く国民をうまくとりこんだ。彼を背後から操った竹中平蔵氏ら「アメリカ帰りのアメリカかぶれ」の一群の識者たちが、日本をアメリカ化させるために「改革・改革」と叫びつつマスメディアを最大限利用したことは、いうまでもない。

■それで多くの国民が健康で文化的で豊かな生活を営めるようになったら、結構なことなのだが、グローバリゼーションのもと「株主優先」「会社は株主のもの」とやらが「常識」になり、一握りの富裕層がますます富む「アメリカ型」のシステムを作りだしてしまった。アメリカは大借金国であり、生産力の劣化した「金融帝国国家」である。日本の強みや特色は「ものづくりの国」で、世界に誇れるのは「職人」であったはず。

■イラク戦争でアメリカは「敗戦国」になりつつあり、莫大な赤字をかかえ、今後世界の「問題児」になる。(すでに問題児ですが)。軍事力は強大で、美点も数々あるので、アメリカと同盟を組むことは日本のためになるかもしれないが、「同盟」と「盲従」「従属」とは根本的に違う。例のホワイトカラー・エクゼンプションなどもアメリカからの「投資環境を良くするため」日本へ要請したもので、「小泉改革」と称するものの多くは「アメリカの要求(年次報告書)」に従ったものである。

■まだ、アメリカ式のシステムは中途半端なので(その分、まだ害が少ない)ブレーキをかけることは可能である。そのためには政権交代しかない。それこそが言葉の本当の意味の「改革」である。政権交代をすれば前政権の「暗部」も自然あぶりだされることだろう。竹中氏がなぜ国会議員を突然辞めたのか。そういえば以前、細川首相が突然議員辞職をした背後に金銭疑惑がありましたね。「突然」で「予定外」の行動には、それなりの「理由」や「背景」があるものです。

■メディア、とくにテレビや大新聞などのマスコミ報道に対して「そうかな」「違う視点もあるのでは」といった留保をつけ、これを批判的に「読み解く」力、つまりメディアリテラシーが今こそ必要なときはない。
 断っておきますが、ぼくは特にどの政党も支持していません。「権力は腐敗する」ということを「一プラス一が二」であるように信じている者です。従って、政治とこれに直結する社会、文化の劣化を防ぐ上で、ときおり「政権交代」をすることは不可欠であると思っています。歴史書を読むとわかる通り、亡国に至る国は常に「上から」腐敗していくものです。
by katorishu | 2007-01-02 22:25