コラム


by katorishu
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 毎度のことながら「今年は正念場」

 1月4日(木)
■早くも正月の三ガ日は終わり、本日から「仕事始め」の事務所等も多いにちがいない。以前は松の内まで休むところも多かったが、そんな鷹揚な事務所は存立を許されなくなっているのだろう。住みにくい世の中にしてしまったものである。貧乏でもいいから、もっとアバウトで、呑気で、ゆったりした気分で生きられるシステムにシフトしていかないと、物的には豊かでも、心はますます貧しい社会になる。

■内外とも07年は多難な年になりそうだ。ぼく個人にとっても今年は「正念場」である。毎年毎年、新年には「今年こそ正念場」だと思うのだが、だんだん後が無くなるので、一層その思いは強くなる。幸い、発表の場もそれなりに与えられているので、どんな些細な仕事にでも誠心誠意、もてるエネルギーを注ぎ込むつもりだ。以前、原稿の注文が降るようにあったころ、「やっつけ仕事」をしたりした。時間がないので、そうせざるを得なかったのだが。
 その後、注文も途切れがちになり、幸か不幸か、おかげで充電することができた。あらためて初心に返って記録するに値することを記録するとともに、斬新な角度から切り取った作品を書きたいものだ。

■定年退職して年金暮らしの人から賀状をいただく。「ありあまる時間をどう埋めていいか、それが問題」といった類のことを記してくる人がいる。本音であるのだろう。自由業者は年金などで生活が保障されていないので、死ぬまでなんらかの仕事をしていくことになる。(結構な遺産、財産がある人はこの限りではないかもしれないが)

■ぼくなど好きでかかわった仕事だし、よりよく生きるためにも今の仕事をずっと続けていく。続けられなくなったら、生きている甲斐がないと思っている。ただ、だらだらと動物園の檻の中の動物のように生きていても、どうなのかと思ってしまう。今年から団塊の世代が定年退職をむかえ、年金で暮らす人の数が飛躍的に増加する。これまで「厭な仕事を我慢してやってきた」人にとっては、ようやく迎えた「黄金期」であり、これからが本当の人生と思う人もいるだろう。

■それはそれで結構なことで、人は他人に迷惑をかけない限り、どう生きてもいいのだが、ありあまった時間をもてあます人には、ボランティアでもいいから社会的なつながりを失わないほうがいいですよ、と敢えて申し上げたい。人口構成からいって、若年層におぶさって遊んで暮らせる時代ではなくなるのだから。
by katorishu | 2007-01-05 02:05