コラム


by katorishu
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今日本が「良くなる」と思っている人は19パーセントだという

 1月5日(金)
■昨年末、ギャラップが53ヶ国・地域で行った世論調査によると、「2007年は06年よりも良くなる」と答えた人のもっとも高い割合はベトナムの94パーセントで、日本は「良くなる」が19パーセントで下から2番目の52位。「悪くなる」は14パーセントで37位であったという。

■悪くなるがそれほど高位でなかったのが、わずかに救いだが、良くなると思っている人がこんなに少ないとは驚きである。未来に希望がもてないということで、深刻な事態というべきだろう。具体的に何が良くなり何が悪くなるかは不明だが、なんとなくそう感じている国民の「空気」と解釈すべきなのだろう。ひところ国民の9割以上が「中流」と答えていたころと比べると、愕然とする数字である。なぜこんな国になってしまったのか。

■いろいろな要素が複合したいわば「複合汚染」の結果なのだろうが、社会の動きに巨大な力をもつのは政治である。率直にいって政治が悪い。一握りの人間ではなく多くの人間に希望や夢をあたえることのできない政治は失格である。政権担当者は猛省し、政策を根本的に変えるしかないだろう。それが出来ないのなら、国民は選挙でこういう政治を行っている政治家を落選させることである。

■恐らく「良くなる」と思っている14パーセントが「勝ち組」と称される人、あるいはその予備軍で占められているのだろう。物質的に日本が貧しいから将来に悲観的なのではない。ものは余っているのに、不安で希望がもてず、夢を描けない。若者も中年も老人も、多くの人が鬱状態で生きているということである。

■政治にすべてを帰するのは筋違いであるにしても、政権担当者が多くの責任を負っている。民主主義国家なら、国民の大半が希望をもって生活できるようにすることが必要不可欠である。外交も軍事も経済も、そのためにこそある。

■テレビのニュースを見ていたら、松岡農水省が出資法違反の疑いで手入れを受けた組織から献金をうけたのに、嘘の発表をしたりしたほか、その組織のNPO法人の認可について内閣府に問い合わせていた、と報じていた。当初は否定していたのに、否定できなくなり、一転して認めるお粗末さである。口利きの可能性大である。

■鳥インフルエンザの件でも松岡大臣の動きに疑惑がもたれている。こういう人物が大臣として国民を指導しているのである。国や社会が良くなるはずもない。松岡農水省は即刻辞めるべきである。このような大臣を任命した人も責任が問われることはいうまでもない。
 言葉の本当の意味の「民主主義」はいつになったら実現するのだろう。実現しないのなら、せめて日本の伝統文化を損なわないようにしてもらいたい。もっとも「日本文化」のなかに「非民主主義的な部分」のあることは否定できないが。
 政治家とテレビの品の悪さ(NHKの紅白歌合戦への批判が続いているが、あれなどまだ「かわいいほう」である)を見ると、「ポピュリズム」の欠点が露骨に出てきているという気がする。言葉の本当の意味の民主主義は未だ道遠しである。
by katorishu | 2007-01-06 05:14