文化面でもすすむ「ボーダレス化」
2007年 01月 13日
■内閣府が12日発表した2005年度の国民経済計算によると、家計の可処分所得のうちどれだけ貯蓄に回ったかを示す「家計貯蓄率」は3・1%と、前年度より0・3ポイント低下し、過去最低を更新したという。
低下は8年連続でピークの1975年度(23・1%)の7分の1以下になった。「高齢化が進み、貯蓄を取り崩して生計を立てる世帯が増えているため」と新聞はコメントしていた。
■一握りの「黙っていても資産が増えていく」層と、日々、真綿で首を絞められるように生活を圧迫されている層に分化しているということだろう。
中間層の脱落はゆゆしき事態である。
脚本アーカイブズ、全体会議に出席。そのあと新年会。盛り場からやや離れたところにある大衆的な居酒屋。およそ「モダン」とはかけ離れた店だが、70過ぎと思われる女性が一人で経営していて、ざっくばらんな感じがいい。料理の量が多く料金が安いのも良い。足立区は東京都内で最も「貧乏な区」といわれているが、人情味・人間味は豊である。
■帰宅しテレビでアメリカ版の映画「シャルウイダンス」を見る。途中からであったが、気楽に楽しめた。世知辛いの世の中であるからこそ、こんなお気楽といえばいえる映画も必要である。日本映画のハリウッド、リメイク版。こういう文化面での国際交流が進むことはいいことだ。
■韓国放送作家協会の南常務理事から電話があり「論座」2月号に載せたぼくの脚本家に関するコラムを韓国放送作家協会の会報に載せたいとのことで、許可して欲しいとのこと。もちろんOKである。写真も載せたいというので、メールで写真を送る。インターネットがなければ、こういう芸当もできない。インターネットの普及で日韓の国境も文化面ではどんどん低くなっている。異なった価値観、異なった言語・歴史をもった同士が互いの価値観を尊重し共に生きる、つまり「共生」が今ほど大事なときはない。