コラム


by katorishu
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朝日新聞のカメラマンが読売新聞から記事盗用というブラックジョーク 

2月1日(木)
■最近、新聞等は駅の売店で買って読んだり図書館で読むことが多い。で、家でとっている新聞は朝日新聞1紙である。新聞は一目でページ全体を見ることができ、見出しや中身だしもあり、ポイントの記事を短い時間で読める。放送やインターネットなどにない利点である。
 そのため、配達される新聞を最低1紙は今後ともとりつづけるつもりで、ひとつを選ぶとなると、比較的、文化や書物の情報の多い読み慣れた朝日新聞ということになる。

■その朝日のカメラマンが写真に付ける記事を読売新聞のホームページから盗用していたという。富山の「かんもち」についての写真とそれにつけた記事を、このカメラマンが自ら書いたのだが、自分の書いたものより読売新聞のホームページに載っていた記事のほうがうまいので盗用したとのこと。

■46歳のベテランカメラマンである。愚かさには呆れるばかりだ。そういうことをすれば、たちまち発覚してしまうことに想像力が及ばなかったのだろうか。「プロ」のジャーナリストとして失格である。 
 最近、インターネットではコピー、ペーストが簡単で、他人の書いた論文等の切り貼りで論文やレポートをでっち上げる例が多いそうだ。「結果」だけを求めて「プロセス」を大事にしない風潮の象徴のような現象である。
 今度の件は、そんな悪しき風潮にプロまでが染まってしまったことの具体例である。

■ノンフィクションなどを書く場合、ぼくなどもしばしば新聞、雑誌、本などから「引用」はする。もちろん、引用先を明記し、著作権の関係から丸ごと長々と引用することはない。それは物書きとして許容範囲だが、今回の場合は、よりによってライバル紙のホームページからほとんど丸ごと盗むんだらしい。そもそも、あの程度の「記事」を書けない人が、記事やコラム等書く、ということが、信じがたく、ブラックジョークである。

■朝日は即刻、このカメラマンをクビにすべきではないのか。以前、TBSの調査部関係の部長がTBSの確かホームページに盗用の文章を毎回のように掲載していることが発覚した。この愚かな部長氏は辞める羽目になった。今、この人がどこでどう生きているか知らないが、屈託をかかえて死ぬまで生きることになるのだろう。(それとも、案外、さばさばとして今を謳歌しているのか。だとしたら、救いようのない鈍である)
 テレビといい新聞といい、日本社会の劣化を象徴するような出来事であり、情けないというしかない。

■本日は脚本アーカイブズの当番。帰路、週間文春をキオスクで買って電車内で拾い読みしたが、中川自民党幹事長の「地元の事務所問題スキャンダル」など、相変わらず「世のリーダー層」の「誇れない」行為が満載である。
 国際情勢分析家の田中字氏によれば、現在、ペルシャ湾にアメリカの空母が2隻、展開しており、2月中旬から4月にかけてイラン攻撃に踏み切る可能性が強いという。展開している兵力は1万5000人とのこと。イラクへの2万人の増派もイラン攻撃を視野にいれているのでは――と分析していた。イスラエルに攻撃をさせる選択肢も含め、中東は「ただならぬ情勢」になっており、もしアメリカがイラン攻撃に踏み切ったら、日本も深刻な影響を受ける。

■そんな「危うい」世界情勢について、日本のテレビはほとんど報じず、例の日本人に巨額の公金を貢がせたアニータという「トンデモ」女のことや、国内の「猟奇的な」殺人事件などを朝から晩まで放送している。(ぼくは見ていないので、又聞きだが)。
 視聴率をとりやすいから流すのだろうが、ワイドショーなどの情報番組ならともかく、「報道」と銘打っている枠では、もっとジャーナリズム精神を発揮して欲しいものだ。報道に関しては「視聴率」に拘束されないシステムを構築しないと、先行き世論をミスリードし、結果として日本の進路を誤ることになりかねない。
by katorishu | 2007-02-02 03:45