コラム


by katorishu
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中国マカオがラスベガスを抜いて世界一に、という「喜べない」情報 

 2月4日(日)
■中国マカオのカジノがアメリカのラスベガスの売り上げを抜いて世界一になったという。北朝鮮の資金凍結問題で話題になった銀行のある街である。人口46万人ほどだというが、ここに年間1200万人もの中国人がやってきて、ギャンブルに興じる。中国の急激な経済発展の象徴のひとつである。02年に外資規制によって、アメリカのカジノ王などが積極的に投資した結果であるという。

■マカオの成功を見てシンガポールなどもカジノをつくって「経済効果」を産みだそうとしているのだという。ぼくはギャンブルをやらないので、どうでもいいことだが、カジノで経済発展をしようというのは、どうなのかな……と思ってしまう。中国内ではマカオが唯一のカジノのある都市であるそうだ。
 賭博場ばかりでなく、ショーやボクシングなどの見世物もあり、それが「文化・芸術」に結びつくといいのだが。「市場経済」がギャンブル性を増すなか、カジノの隆盛は一層、経済のギャンブル性を強めることになるだろう。極端な格差のある中で、一部の経済的成功者が遊び興じる風景は、まったく美しくない。

■これまで物質的欲望を抑えつけられてきた中国人が、物欲を全開して天然エネルギーを大量消費してゆけば、自然環境は劣化の一途をたどり、いずれ「取り返しのつかない」事態になる。14億人になろうとする民族の影響力、破壊力は大変なもので、日本も深刻な影響をうける。かといって、すでに欲望全開社会を築いてしまった日本が、「あなたがたは質素に暮らせ」というのは虫の良い話である。かくて、地上の風景は「見たくないもの」に刻一刻と近づいていく。

■注目の愛知県知事選挙は、与党候補の押す現職が当選し、民主党系の候補は落選した。ときどき政権交代があってこそ政界浄化につながる点から考えると、3選を果たしたというのは、歓迎できない。名古屋地区はトヨタなどがあるせいか全国でも例外的に「景気がいい」といわれるところなので、住民は「現状維持」を望んだということか。

■この選挙では「期日前投票」が30万ほどあったとテレビで報じていたが、宗教票が強く働いたと見るムキが多い。政治と宗教の分離は民主主義の基本であると思うのだが……。沖縄県知事選でも宗教組織がフル回転して集票力を高めたと、関係者が語っている。この点をマスコミはほとんど報じない。

■一方、もうひとつの注目の選挙である北九州市長選挙では民主系の候補が当選したとのこと。九州では、自民、公明両党の推薦候補は昨年11月の福岡市長選、先月の宮崎知事選に続いて九州で3連敗となった。投票率は前回の38.32%を大幅に上回る56.57%とのことで、選挙民の関心は高い。
 注目の二つの選挙区で、与野党は「1勝1敗」ということか。日本に民主主義が根付くためにも、「政権交代」が時々行われる政治にしなければいけないのだが――。
by katorishu | 2007-02-05 01:47