コラム


by katorishu
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今そこにある危機、人類の破滅に通じる温暖化

 2月6日(火)
■4月初旬の気候だという。世界的に気候がヘンである。過日、ある集まりでフィンランド人がエストニアなどに旅行したことを話していたが、もっとも驚いたのはこの100年ほどで体験したことのない「暖冬」であるという。半袖ですごせたとのことであったが、憂うべきことである。地上の温暖化は危険水域に入ったということだろう。

■アメリカをはじめとする先進国の「大量生産、大量消費」の「石油資源大量消費文明」が限界にきていることを具体的に示す警告である。石油を大量に消費する柱のひつとが車である。日本は車産業で「経済大国」になったようなもので、今でもトヨタなどが空前の利益をあげている。そのため、歯車を逆にまわすことは極めてむずかしい。だからといって、このまま「車社会」を放置しておいたら、かなり早い段階で人類が住めなくなる環境になる。戦争とは比較にならない惨禍を人類にもたらすだろう。

■あのブッシュでさえ、石油の消費を2割削減しようなどといいだしている。イラク戦争に失敗し、中東の石油依存を低めようという政治的思惑があるにせよ、周辺の科学者から警告が発せられているのだろう。数年前、ペンタゴンが地上の環境について、現状を放置しておいたら、いずれ二酸化炭素の増加が海流の変化をもたらし、ヨーロッパの気候がシベリア並みになり、一方、日本などアジアは熱帯に限りなく近づくという報告をだしていた。

■マスコミはほとんど取り上げなかったが、アメリカのペンタゴンがそんな警告を発しているのである。世界を牛耳っているのはアメリカで、アメリカを牛耳っているのは金融資本であり、その傘下に天然資源を大量に消費する大企業、多国籍企業が連なっており、多くのマスコミもそこに寄生して生きている。そのため、自分たちのマイナスになる情報をあまり伝えない。

■ところで本日、読売新聞の記事を盗用した朝日新聞のカメラマンがさらに記事の盗用を行っていたことがわかった。朝日はそのカメラマンを「異動」させておいたのだが、結局解雇に踏み切った。このブログでも記したが、経営者は即刻解雇にするべきであった。

■カメラマンが写真ばかりでなく記事を書くようになったのは、あるいは写真家の藤原新也氏の影響があったのかもしれない。組織に所属し、組織の力でカバーされているカメラマンと藤原氏のようなフリーの写真家では、心構えも、意欲も洞察力も違う。
 このカメラマン氏、カメラの腕は確かなのかもしれない。それが社内のシステムでカメラマンも記事を書くようにということで、不得手な文章を書く羽目になったのだろうか。朝日に入社するとき、このカメラマンはカメラの専門職で入ったはずで、まさか記事を書くようになるとは予想していなかったのではないか。

■だとしたら、ちょっと気の毒ではあるが、ジャーナリスト失格であることに変わりはない。10数年前から新聞記者が「劣化」している、とよく耳にしたが、その具体的現れかもしれない。文章で一番大事なことは簡潔である。文学作品には「朦朧体」とでもいうものがあり、これはこれで味があるが、例外である。記事は簡にして要を得た文章で願いたいものだ。

■基礎の基礎が出来ていない人が、文章を書く。アマチュアや仲間内だけに読ませるのなら問題はないが、お金をとって読ませる「プロ」としてはいただけない。なにも記者ばかりでなく、役者やタレント、歌手などにも、これでよくお金をとるなと思われる類の人が多い。

■私見では「ジコチュウ」を大量増産させたカラオケの普及と、この傾向は密接に関係している。今ほどあらゆる分野で「プロ」が必要な時はない。いやしくもプロであるなら、話題性などではなく、素人には真似のできない「技量」で評価されるようにならないといけないのだが。「数字」さえとれれば結構という「風潮」が続く限り、文化は劣化し続け、日本は世界からバカにされる国になる。
by katorishu | 2007-02-07 01:52