コラム


by katorishu
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インドと中国に「軍事衝突」の可能性?

3月11日(日)
■品川図書館で借りた本が返却期限切れになっていたので、返しにいく。最近は歩いていける品川図書館のほかは、たまに足立区図書館や港区図書館を利用する程度である。ときどきは国会図書館にも足を運ぶが。国会図書館では本を貸し出ししていないので、どうしても区立図書館にいくことになる。

■以前、車に乗っていたころは、都区内の7つほどの図書館の貸し出しカードをもち、あちこちをまわり、常時20冊前後を借りていた。どれがどこの図書館で借りていたか間違えて、別の区立図書館の本を返却しそうになった。
 車を手放した現在、図書館利用に関しては不便になった。が、ほかのことではせいせいしている。都内では車に乗るとまず駐車場探しに苦労する。最近は無人の駐車場も増えているようだが、以前、車に乗って例えば池袋にいくとすると、駐車場を探すのが面倒なのでサンシャインか目についたデパートの駐車場にいれる。一定額の商品を買うと2時間ほど無料駐車になるので、買わなくてもいいものを買ったりしていた。

■無駄なことである。運転に気をつかうし、居眠りもできない。地下鉄の路線が縦横にはりめぐらされている都内で自家用に車を使う必要性は、ほとんど感じられない。地球環境保護のためにも、都会では車になるべく乗らないほうがいい――などというと、自動車業界の人は不愉快に思うかもしれず、車産業が衰退したら日本は一気に衰退に向かうと反論するだろう。

■今、中国では「マイカーブーム」が起こっている。昭和40年代から50年代にかけての日本のように、大都市を中心に「自家用車に乗ることが幸せの象徴」といった事態が起きている。膨大な人口の中国で、マイカーブームが一層進めば、そうでなくとも悪化している環境が一層悪化し、とんでもない事態になってしまう。風下の日本も深刻な影響を受けるはず。エンジンなどの改良で「環境に優しい」車をつくるようになったので心配はいらない、と自動車業界はいっているが、相応の排気ガスが排出されることには変わりはない。一台あたりの石油消費量が少なくても、車の数自体が数倍になったら、元も子もない。
 便利で快適になるのはいいが、それで果たして多くの人が「幸せ」になっているのかどうか。この基準で社会を見ていくことが今ほど必要なときはない。

■品川図書館で必ず見かける「オバサン」の姿が本日なかった。初老の女性で、どうも24時間営業のマクドナルドで居眠りつつ夜を過ごしているようなので、ついに体調を狂わせてしまったのか。常連の中年男性の姿は本日もあった。パソコン画面をいつものぞいているのだが、本日ちらっと目にはいった画面には表計算のようなものがかいま見えた。
 飾らないラフな姿で、かなり太ってきており、表情は厳しい。パソコンでなにをしているのか、仕事はあるのかないのか、余計なことかもしれないが、ちょっと気になることではある。

■情報誌の「選択」4月号に『「軍事衝突」あり得るインドと中国』という記事があった。この二国、1962年に軍事衝突をしており、両方に「実効支配」をしている区域があり、両国国境の緊張は続いているようだ。最近、アメリカがインドに接近し、IT産業などでインドとの提携を深めている。中国は、アメリカはインドを使って中国の押さえ込みを企てていると警戒感を崩さない。一方、アメリカとしては、インドと中国それにロシアの3つの大国が力をあわせることが怖いので、インドをうまく使いたいようだ。
 
■国際政治の世界はパワーポリティックスの世界であり、「敵の敵は味方」が当たり前である。インド・中国の軍事衝突は、両国の間にあるチベットが引き金になるとの見方もある。チベットについて、中国は自国の領土であるとして武力で支配しているが、これでは昔の「中華帝国」とかわらない。チベットを力で押さえつける政策がいつまで続くかどうか。「選択」によれば、インドには10万人のチベット人が亡命しており、中国で内乱や事変が起こった場合は立ち上がるであろうという。
 来年は北京オリンピックの年だが、果たして無事に挙行されるのかどうか。中国では軍の力が強まり最高指導者のいうことを聞かなくなっているとの情報もある。

■中国では現在、官僚等の腐敗に対する「闘争」が行われており、これを胡錦濤政権は権力強化の柱にしている。ところが、この政策が軍との軋轢を生んでいるというのである。
 中国軍には歴史的に多くの「腐敗」があるという。そのため「反腐敗闘争」は軍の「既得権益」を突き崩しかねない。
 すでに軍が「暴走」をしはじめている、と「選択」の記事は書いている。軍の暴走を政府やマスコミが止められなければ、中国は、軍部の暴走によって国を破滅させた、かつての「大日本帝国」のようになる可能性もある、と記事は結んでいる。
 
■世界のあちこちで、きな臭い臭いが漂いはじめた。依然として日本は世界第二の「経済大国」であるものの、国際政治の中で存在感があまりにも薄い。
 アメリカに従属する一方の外交ではなく、アジアでの緊張をどう解くかに知恵を働かせ、ODAの資金等を有効に、戦略的に使ってもらいたいものだ。最近、安部首相が妙に強攻策を口にしはじめた。支持率の急激な低下を食い止めるために、強攻策を口にしはじめたとしたら、本末転倒である。
by katorishu | 2007-03-12 01:21