コラム


by katorishu
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オリンピックをやるなら東京でなく地方で

 3月20日(火)
■オリンピックを東京で開催することに石原都知事は積極的で、その方向でゼネコンなどが動き出しているようだが、日本でオリンピックをやるなら「地方」でやったほうがいい。博多が名乗りをあげたのに、東京が名乗り出たため敗れてしまったが、残念なことである。
 オリンピックの波及効果は大きいし、仮に北海道や東北でやったら、その地の経済も潤うし、地方を捨て東京に出て行く人も減るだろう。

■一極集中こそ問題ではないのか。東京ないし東京圏の人口は多すぎるし、仮に東京でオリンピックをやったりすれば、東京湾の湾岸開発もさらに進み、この界隈の人口稠密に拍車をかける。すでに港区、品川区の「港南地区」では新しい高層マンション群の出現で、恐らくITなどの「勝ち組」企業に勤めるサラリーマンが数多く移り住んだからなのだろう、子供の数が激増し、小学校の教室が足らなくなっているという。
 人が急増したり急減したりするのは、感心しない。

■マスコミはすでに東京に一極集中し、記事やニュースはどこも金太郎飴のような内容になっている。多様性がないのである。方言なども復活させ、たとえばローカルニュースなどその土地の方言で読んだほうがいいと思っている。方言には独特の味わいがあるのだが、マスコミの東京集中や教育行政の中、方言は駆逐されていった。

■戦後の一時期、地方では学校で方言を話すとバツを受ける小学校もあったと、先日、地方出身の人から聞いた。国家をあげて「地方色」を壊してきた――それが明治維新この方の行政の基本方針であるかのようだ。
 今や、コンビニやファーストフッドの隆盛で、日本全国どこもかも、「おんなじ」色に塗り込められてしまった。文化の豊かさは文化の多様性でもあるし、画一化が進むことは文化の劣化につながる。

■ひと頃、遷都ということがよく語られたが、いつの間に立ち消えになってしまった。今のような中央集権のほうが「効率的」で、中央官僚の官僚も国民を統治しやすいのだろうが、多くの国民の幸福につながっていかない。
 道州制という言葉も、いわれなくなった。東京の対抗軸として、地方が独自の文化を育て発信していくことが大事だと思う。オリンピックなど、その地に豊かな基盤をつくるいい機会だと思う。日本でオリンピックをやるなら、ぜひ地方でと改めて思う。ぼくは東京出身でずっと東京都に住んでいるので、東京でオリンピックを開催すれば、「一見物者」としては歓迎するが、東京だけが徒花のように繁栄することは感心しない。
 徒花の影に死に花、枯れ花が累々とあることも、忘れてはならない。今度の都知事選では、オリンピック東京開催の見直しを公約にかかげる候補者に当然、投票する。
by katorishu | 2007-03-21 01:52