創作ラジオドラマ大賞、贈賞式
2007年 03月 31日
■乃木坂の「はーといん乃木坂」で、第35回創作ラジオドラマ大賞の贈賞式。理事会の会議のあとであったので、ひきつづき参加した。今回、大賞を受賞したのは「答えは、昼間の月」(金戸美苗作)で、佳作が2編。応募総数は234編であったという。
■ぼくは選考にからんでいないので、受賞作なども読んでいないが、受賞者3人に初々しい姿は印象に残った。
3人とも34歳の同じ年。一人は数ヶ月前、京都から東京に出てきたばかりで、小劇場で俳優、脚本、演出をやっていたという。一人は制作会社などでドラマのプロットを書いたりしており、一人は高校の家庭科の講師。
それぞれどのような理由で「書こう」と思い立ったか、背景を聞いたが、なるほどと思ったことだった。
■大賞作と選評などは月刊「ドラマ」5月号に載るそうだ。
ラジオドラマは現在、NHKでFMシアターと青春アドベンチャーのふたつのレギュラー枠があるばかりで、消滅寸前である。一度もラジオドラマなど聞いたことのない人も多いのではないか。しかし、ラジオドラマには独特の深みがあるし、映像に頼るテレビや映画にない良さも十分にある。育てるのは視聴者である。ぼく自身、最近あまり聞いていないの、つとめて聞くようにしたいもの。
■終わって簡単な立食パーティのあと、受賞者をふくめ関係者10数人で六本木の近くの、屋台店の雰囲気がある店にいき、歓談した。本日、旧防衛庁後に立ったミッドタウンというビルのオープンとかで、この界隈はにぎわっていた。
日本の「勝ち組」の象徴であるが、ぼくには興味がない。
■なんでも一品300円という店だが、雰囲気がよく盛り上がった。制作側もふくめラジオドラマの作り手が多く、話題も当然、ラジオドラマの過去と現在の比較等になり、話はつきなかった。プロアマ問わず、悪条件の中、みんな頑張ってなんとか自分の作品を形にしたいと思っているのだが。
内側の悪戦苦闘ぶりは、あまり人の目に触れることはないが、大変なものである。険しい山に登るなどと同じエネルギーと忍耐が必要である。(ごく一握りの人をのぞいて)努力の割になかなか報われないというのも、現在の「物書き」の置かれている状況である。