視野の広いBBC
2007年 04月 05日
■21時50分ごろテレビをつけBBC放送にチャンネルを合わせると、イランのアフマドネジャロ大統領の記者会見を実況中継していた。イランは7000年の文化歴史をもち、それを誇りにしていると大統領は語っていたが、たかが数百年の歴史しかもたないアメリカに対する揶揄とも聞こえた。22時15分頃であったか、演説の最後にイランに拘束しているイギリス海兵15人を解放すると発表した。
■BBCの解説者にとっても意想外のことであったようで、ただちにブレーク・ニュースの表示がでた。キャスターは興奮気味に話していた。
記者会見の会場にはホッとして空気が流れた。15名の海兵はイラン海域で拘束したとのことで、すでに2週間が経過していた。大統領は釈放を「イギリスへのプレゼント」であると強調しており、なんの条件もつけないようだ。
■まずはホッとした。このイギリス海兵の拘束事件は、一歩間違うとアメリカのイラン攻撃を誘発し、中東大乱のきっかけになる可能性もあった。ペルシャ湾にアメリカの航空母艦が2ヶ月ほど前からはいっており、海域の緊張はたかまっていたとき起きた事件であり、危惧されていた。
春にアメリカの攻撃ありと予測するジャーナリストもいて、海外紙の一部もそう報道していた。
■日本のテレビは国内向けのことばかりであまり伝えないが、今、世界も激変している。しかも、海外での政治や軍事の出来事が、日本の経済などに直結するのである。日本のマスメディアももっと海外の出来事を伝えたほうがいい。その点、さすがBBCである。アジア、アフリカの報道も多く、視野がひろく、つっこみも鋭い。
■有線放送のおかげで、BBCやCNNなどのニュースをリアルタイムで居ながらにして見ることができるようになった。日本語の同時通訳がついている場合も多く、英語のがわからない人でもある程度理解できるようになっている。
今や、国内の出来事でも、地球規模の枠で見ていかないと、本質を見損なうことになる。物事の判断の基礎は情報であるのだから、その情報が一部に偏っていたら的確な判断もくだせない。
■イオンが今期の決算で経常利益1883億円とか。7期連続で最高益更新だという。大手が儲けるのはいいのだが、大店法のおかげで大手スーパーが進出し、小規模の小売店が急速に消えていっている。地方ではとくにその傾向が強いようだ。
イオンは徒歩圏内にあり、よく買い物にいく。食糧品などなんでもそろっているし、つい買ってしまうが、心がけとしては地元の小さな店で買うようにしている。地元に長く住んでいる人はよく知っていて、必ずしも大手スーパーが品物の割に安価とは思っていないようだ。元は市場であったと想像できる食料品専門のミニスーパーが案外にぎわっている。
■救われる光景である。大も小も中も、ほどよい案配で「生きていける」ことこそ大事である。年寄りも若い人も、女性も男性も、各分野に「ほどよい加減」で散っているのが理想なのだが。残念ながら、どうもそうなっていない。正すのは政治の力である。政治の力を決めるのは、民主主義社会では国民の意思である。