都知事選、特定候補だけが出演するテレビ番組
2007年 04月 06日
■都知事選挙も後半戦にはいっているのだろうが、盛り上がっているとは思えない。世論調査では現職強し――ということらしい。
1日テレビ朝日の「サンデープロジェクト」に14人の候補者のうち吉田、石原、浅野、、黒川の4候補が出演していた。それなりに時間をとって意見を戦わせていたが、ふと、この番組に出ない人はどう思っているだろうか、と思った。
■公職選挙法の趣旨からいえば、不公平にならないのかと思っていたら、案の定、ドクター・中松氏が4日、公職選挙法違反容疑の告訴状を警視庁に提出したという。同氏には出演依頼がなかったとのこと。同氏は「事実をゆがめて放送するなど表現の自由を乱用して選挙の公正を害してはならない」と提訴の理由を述べたとか。
■これに対しテレビ朝日広報部は「出演者の決定については、候補者の実績や世論調査などに、独自取材の結果をふまえたうえで総合的に判断している。公選法に違反しているとは判断していない」とコメントした。(毎日新聞ウエブ判)
微妙な問題である。いわゆる「泡沫候補」もテレビに出すとなると、中には自己PRのためだけでテレビ出演する人も出てくるし、仮に候補者が30人いて30人をスタジオに呼んで語らせたら、ほとんど討論の意味をなさなくなる。
■じっさい「泡沫候補」の中には、どういうつもりで立候補したのかわからない人も少なからずいる。投票者数が一定の数に達しないと供託金を没収されるが、売名になるからいいと割り切った人もいるだろう。
有名な動画投稿サイトのユーチューブに、過激な発言をする候補者の政見放送がアップされている。これは公職選挙法に違反すると選挙管理委員会は警告を発し削除を要請したが、さきほどのぞいてみたところ見ることができた。
■頭を剃った30過ぎと思われる自称「過激派」が今の日本は最悪だ、だからスクラップあるのみだと繰り返していた。訴えるものなど何もなく「多数派」の「横暴」に対してただ「スクラップ、スクラップ」と繰り返す。
政見放送がインターネットの動画画面に放置されている状態は、困ったものである。
■インターネット時代になり、選挙に金をかけないためにはウエブを利用して多くの人に政策を訴えることは意味がある。しかし、政策もなにもなく、意味がよくわからないことを話したり、特定の人物、組織への誹謗中傷に終始したりするものも、当然出てくる。
「イメージ選挙」などといった映像の「目くらまし」に惑わされず、当人の本質を見抜くよう、当人の書いたものや、推薦人等、さまざまな情報をもとに判断するしかないのだが。
どうもぼくの予測では今度の都知事選、当初の話題性にもかかわらず、投票率も案外低いのではないか。すると、組織票をもち、必ず投票にいく人の率の高い組織をバックにした候補が有利ということになる。