コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

街が仕事場

 4月15日(日)
■本日は外で9時間以上、資料読みや執筆作業をした。回った喫茶店などは3軒。ある店は広々としていて、すいていたので4時間滞在。食事も2回した。携帯パソコンがあるおかげであるが、健康にはよくない。

■最後に24時間営業のマクドナルドに入ったところ「例のオバサン」がいて、居眠りをしていた。テーブルにはノートと本があった。やっぱりホームレスなのかと思ってしまう。もしそうだとすると体によくないはずで、トイレに立ったときの歩き方がヘンであった。以前、図書館で初めてみたときに比べ、憔悴している感じは否めない。
 午前零時をまわったころ、店を出たが、オバサンは席にすわって目を閉じていた。周囲は20才前後と見られる若い人たちで、オバサンの存在が際だった。恐らく明日の朝まで滞在するのだろう。

■どういう事情があるのかわからないが、シンドイことだろう。別の店には足を運ぶと必ず目にする50代半ばと思われる男性が携帯パソコンに向かっていた。この人は図書館とコーヒー店で一日の大半を過ごしている。文筆業なのか、失業者なのか。あるいはIT技術者なのか。こちらも運動不足の不健康な生活を続けているためか、太っていて、憔悴が顔に出ていた。

■二人に共通するのは「孤独」ということだ。彼らが口をきいている姿をほとんど見ない。携帯などもっているのかどうか。電話で話している姿も見たことがない。
 都会にはこういう人が増えている。外ではなく、アパートやマンションなどで一人で暮らしている年配者も多いに違いない。仕事をもっていれば、人と接することもあるのだが、無職となると、相手はテレビかパソコンか。なんとなく、寒々しい光景である。

■先進国の人間は、「便利さ」を追求するあまり、まことに妙な仕組みをつくってしまったものだ。そんな仕組みのもと、孤独な人が増えている。
 一方で、現状にとどまろうとする民族を、「開発途上国」などと称して、とにかく開発させる。アメリカや日本など「先進国」と証する国や国民が、そうしなければ「生きられない」環境をつくってしまったのである。先進国の傲慢さである。いつか必ずしっぺ返しがくるに違いにない。
 刻々と「見たくない」状況が近づいているという気がする。ぼくの杞憂であればいいのだが。
by katorishu | 2007-04-16 03:15