コラム


by katorishu
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 税金で「食べている」公務員の犯罪あれこれ

 5月1日(火)
■公務員の犯罪が目立つ。談合、贈収賄は毎度のことで、珍しくもなくなってしまった。本日、税務署員が銀行強盗をしたほか、警視庁戸塚署の警備課長が電車の中で痴漢をして逮捕された等々、「あきれてものがいえない」ような事件が起こった。痴漢で逮捕された警備課長は警視であり、その上の警視正になれば警察署長になるような人物である。警備課というのは、警察組織では「エリートコース」である。

■この人物はいわゆる「キャリア」ではないようだが、こんな幹部クラスの人間が破廉恥罪で逮捕されたのに、翌日には釈放された。マスコミでは名前をふせている。「きっこの日記」によれば、この人は「佐藤勝冶(かつじ)」(56)という人である。
 ところで、「きっこ」氏によれば、一般の警察官は地方公務員だが、「警視正」より上の階級の人は国家公務員になり、「最低でも5000万円近い退職金が約束されてる」という。(財政赤字がいわれる中、ほんとうだろうか)

■給与面での官民格差はバブル崩壊後、開く一方である。公務員が民間企業の社員にくらべ恵まれた給与をもらい手厚く保護されていることは、誰でも知っていることだ。戦後の民主主義社会にあっては、公務員は「公僕」であるはずで、昔は「公務員は薄給」が常識であったのだが。今や戦前に逆戻りで「特権層」になりつつある。
 じっさい一種の「特権階級」と思っている役人も相当数いるようだ。封建時代の「お上」であり「悪代官」に通じるもので看過できない。

■数々の役得を「権利」だと内心思っているから、天下りをして税金を吸い上げるシステムになんの疑問も抱かずその恩恵にあずかっているのである。そんな公僕であるべき公務員の犯罪に対しては、民間人に比べ重い刑罰を科してもいいくらいだ。ところが実態は逆で、仲間をかばう意識から今度のケースのようにすぐに釈放してしまう。身内に甘いのである。この警備課長は懲戒解雇ものだが、果たして上がそういう処置をするかどうか。マスコミはその後、警察庁がどう対処したか追加取材をして欲しいものだ。

■ところで、ウエブ上に、京都市下京区の保育所の女性調理師が、給食で余った煮物と牛乳パックを持ち帰ったことがバレて免職になったという記事があった。当人は、介護が必要な家族に 「 ( 帰宅して ) すぐに食べさせてやりたかった 」 と話しているという。
 この程度のことで、クビにする必要があるのだろうか。給食であまったものをどうするのか知らないが、もし捨てるのだとしたら、「有効利用」したわけで、一定の規則をもうけて「持ち帰ってもいい」とするか。そうすると、故意に余らせて持ち帰る人が出てくるのかもしれないが。

■どの程度余りものがあるのか知らない。それを売りさばいてカネにしたのだとしたらクビも仕方がないかもしれないが、これなど「大岡裁き」で処理すべきものだ。厳重注意したりするのは当然だが、クビというのはどうも納得がいかない。
 この女性調理師がクビになるのなら、役所の封筒を私用で使ったり、コピーを私用でとったりする公務員もクビにしなければいけない。すると、大半の公務員はクビになってしまうのではないか。役所にはもっと大きな「悪事」を「合法的」にやっている人間が沢山いる。

■この女性調理師をクビにした、悪しき官僚タイプの上役は誰なのか、知りたいものだ。もしかして、この女性調理師は正規の職員ではなく「臨時雇い」であったのではないのか。だから「微罪」でも即クビになった――と想像できるのだが。正規の職員であったら仲間意識から「かばう」はず。こういうところにも「自分たちさえよければいい」という「非人情」な世相がすけて見える。「公僕」という言葉もとっくに死んでしまった。
by katorishu | 2007-05-02 01:46