コラム


by katorishu
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デスノートが中国で流行、という困った現象

 5月13日(日)
■比較的よく眠れたので、やや気分は好転したが、目の疲れがひどく仕事ははかどらない。目と脳が頼りの仕事なので、大事にしたいものだが、酷使に酷使を重ねている。 
 中国の子供達の間で、日本の人気漫画「デスノート」を使って人を呪う遊びがはやっていると、10日の中国中央電視台が伝えた。ぼくは読んだこともないが、「デスノート」に名前を書かれた人間は、ノートに書かれたとおりの死に方をするという設定になっていて、子供の教育に悪い影響をあたえると教育専門家が警告しているという。

■中国では、 近年、日本漫画の悪影響を糾弾する意見も増えており、今回の「デスノート」問題が日本漫画バッシングを加速させる懸念もあるとか。
人を怖がらせたり、不安にさせたりすることが、子供たちには面白いのだろう。善よりも悪のほうがはるかに強い伝染力をもつものである。「デスノート」は映画にもなったし、日本での影響も強いに違いない。

■どうせ漫画だからと、この種の漫画を出している関係者はいうのだろう。売れれば何でもいいという風潮は考えものである。子供のころぼくも漫画好きで10歳ごろまで漫画を毎日読んでいた。当時のことで、漫画雑誌がそれほどあるわけではなく、漫画の本もすくなかったので、同じ漫画を繰り返し読んだり、友達と交換したりして読んだのだが、当時の漫画は今思えば、「健康そのもの」だった。

■漫画の影響はバカにならない。その後の少年期、青年期にもそれなりの影響を与えている。「強きをくじき、弱きを助け」が当時の漫画の主流であり、ぼくは自分もそういう勇敢なヒーローに共感し、そうありたいと願った。テレビがまだない時代だった。
 当時、「悪の愉しさ」がふんだんにこめられた漫画を読んでいたら、そっちの方向に傾斜したに違いない。良くも悪くも、素直すぎる子供であったから。

■それにしても、テレビドラマの原作に漫画が多すぎる。漫画で見たものを、またテレビで見て面白いのだろうか。新しい人と話をするのを億劫がり、仲間とばかり会って話したり飲んだりしたがる人が多いが、そんな心理とどこかで連動しているのだろう。
 わかりきった意見しか出てこない人と会って話しても、面白くも何ともないと思うのだが。誤解されることを恐れず敢えていえば、一定年齢をすぎてその傾向の強い人は、能の劣化が急速に進む。
by katorishu | 2007-05-14 01:27