マクドナルドで夜をすごす老人たち
2007年 05月 20日
■この季節にしては肌寒い日だった。高田馬場で月に一度のシナリオ教室の講義。前もって書いてもらった「課題シナリオ」の講評を中心に計3時間。睡眠不足の体にはしょうしょうこたえた。それ以上にこたえたのは、昨日修理が終わってもどってきた携帯パソコンが、また同じような障害を生じて使えなくなってしまったことだ。
■再び修理コーナーにもっていった。バックアップをとっていたので、1時間ほどの執筆が無駄になったという程度であったが。パナソニックの携帯パソコンは壊れにくいという評判で信頼していたのに。裏切られた気分である。
■夜、近くのマクドナルドに気休めにいった。いつものオバサンはじめ、恐らく「宿無し」と思われる70過ぎと思われる老人が3人きていた。一組は夫婦者のようで過日12時過ぎに、テーブルに突っ伏して寝ていた人たちだった。
彼らは互いに顔見知りのようで、会話をかわしていた。昼間、急に強い雨が降ったので困ったというような内容だった。中には一人暮らしで寂しいからマクドナルドにやってきて夜をすごす老人もいるらしい。
■「そりゃ、畳の上のほうが寝やすいよ」などという声も聞こえた。以前、こういう老人はあまりいなかったと記憶する。最近、「ネットカフェ難民」とともに「マック難民」が増えているらしい。「団塊の世代」が70,80になる10年、20年後の日本のことを考えてしまう。よるべを失った老人が大量に生まれ、社会問題化するのではないか。
■政府は中国の「先富論」を真似て、一握りの「富者」をますます富まそうとしているようだ。「富者」がますます富めば、その「おこぼれ」が下の者にいく……という論理で毛沢東亡きあと中国はやてきたのだが、この論理を徹底したあとに何が起こっているか。繕いようもないほど極端な貧富の差のある社会が生まれてしまった。清朝時代に先祖返りをしてしまったようである。
■一方、日本はまだ「どうしようもなくなる」一歩前の段階である。ここで食い止めなければいけないのだが、どうも政府は有効な手をうたない。教育再生会議にしても、パフォーマンスにたけた人気者ばかりを集めて、打ち上げ花火をあげている。
やっぱり、政権交代をして一度、「日本というシステム」をオーバーホールすることが必要である。これしか日本の劣化を食い止める術はないのではないか。「文化・芸術」面での充実。それこそ日本の進むべき道だと思うのだが、政治家はこちらは「票」にならないと思っているので、ほとんど関心を示さない。政治家が感心を示すものといったら、膨大な税金を食う「ハコモノ」ばかりである。