急速に進む監視技術の怖さ
2007年 05月 22日
■CS放送のナショナル・ジェオグラフィックで「監視社会の最新技術」というドキュメンタリーを放送していた。IT技術の向上によって監視技術は急速にすすみ、個人のプライバシーとの問題で今後、いろいろ厭なことが起こってきそうである。
■例の9,11同時多発テロ事件以降、特にアメリカで監視体制が強化されているようだ。上空300メートルのヘリから、例えばニューヨークの町中が監視されているようで、プライバシーも相当程度、侵害されている。
個人認証も飛躍的にすすんでおり、人間の体に米粒大のチップを埋めると、それで個人認証が確認され、クレジットカードなども必要なく、腕をかざすだけで支払いなどができる。
■それは便利でいいのだが、個人が生まれてから死ぬまで、どこで何をし、何を買って、どんな病気にかかったか、どこに旅行したか、某日どこにいたか等々が、すべてデジタルデータとして記録される。
これはある意味で恐ろしい社会である。便利さの追求やテロ防止という名目で、個人の生きた軌跡がすべて「記録」され、保存される。
■その情報を管理し、把握する一部の人間が人間を自在にあやるつることも可能となるだろう。目の虹彩によって空港の出入りをチェックしている国もある。アラブ首長国連邦ではすでに実施しており、不法入国者を排除する装置として機能している。機械としては優秀であるが、個人の行動のすべてが誰かに把握されかねず、問題である。
■企業のマーケッティングなどにも利用されているようだ。すでに携帯電話を所持している人は1億人をこえる。携帯はいつ、どこにいたかがデジタル情報として把握され得る装置である。こういう時代だからこそ、アナログが重要になってくる。
デジタル化の利点は認めつつも、こちらの方向に急速に傾斜していく社会に危惧を覚えざるを得ない。