コラム


by katorishu
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松岡大臣の自殺で、政治と金の問題を曖昧にしてはいけない

 5月28日(月)
■松岡大臣が自殺した。最初に知ったのは携帯を開くと流れるようになっている朝日新聞の一行ニュースによってだった。戦後、閣僚の自殺は初めてであるという。自ら命を絶つことによって、すべてを水に流すという「伝統」があるが、公人中の公人である大臣が、数々の疑惑について「説明責任」をまったく果たさずに逝ってしまったことは、やはり公人として「責任放棄」であるというしかない。

■作家などが創作に行き詰まったりして自ら命を絶つことと同列に考えることはできない。松岡大臣は就任時から、数々の「疑惑」が噂されていた。松岡氏を任命したことは「安部内閣の命取りになる」といった意見が、当初からあった。
 案の定、今年にはいってから、松岡大臣の「疑惑」に触れた報道がない日はないといっていいくらい、問題がくすぶりつづけた。先週には、農林水産省の天下り役人のからんだ緑資源機構の「官製談合」で逮捕者が出た。松岡大臣の地元でも関係者への捜索が行われた。

■国民の大半が疑惑をもっている大臣について、なおも擁護しつづける安倍首相。この問題は先に発覚した社会保険庁の5000万人の「記録消失」問題とともに、政権を直撃するだろう。参議院への影響も必至で、与党大敗の可能性が強くなった。
 同じ党が長年にわたって政権を握りつづけると、必ず腐敗が発生する。腐敗を浄化するには政権交代がぜひとも必要である。権力の「蜜」をすいつづける一定層を、蜜から引き離すことが今ほど必要なときはない。

■人間が自ら死を選ばざるを得ないことは、大変悲しいことで、その人個人や遺族にとっては哀しみの極みである。しかし、公人中の公人としては、やはり「責任放棄」というしかない。疑惑の数々がいわれ、説明責任を果たせない閣僚をあくまで弁護しつづけた安倍首相は責任をまぬがれないだろう。
 テレビのニュースで、石原都知事は松岡大臣の自殺を評して「侍の死であった」と語っていたが、侍であったらまず大臣を自ら辞して真相を語るべきであった。そのあと、自ら「切腹」するのであったら、侍の死といってもいいが。石原氏と同じ選挙区のライバル代議士であった新井将敬死が自殺したときは、何も言わなかったはずである。

■そもそも自殺を賛美することは感心しない。病弱で苦痛の日々がつづき、生きていても仕方がないと思い詰めた上で、自らの生き方に断をくだすケースはまだ同情できるが。
 今後、思いがけない「真相」がでてくる可能性もある。
 それにしても、つい先日、カミサンと「政治家というのはしぶといな。あれだけマスコミや国会でたたかれても平気なんだから」などと相変わらず国会でノラリクリ同じ答弁を繰り返す松岡大臣について話していた。それだけに、衝撃的なニュースだった。
 これによって政治とカネの問題が浄化されるといいのだが、悲しいことに、またぞろ一部政治家は同じ愚を繰り返すにちがいない。一部権力をもった官僚も同様である。
 彼らを支え、彼らの作るシステムから「おこぼれ」をちょうだいする一部「有権者」も問題である。彼らがいる限り、汚職は絶えないl。
by katorishu | 2007-05-29 00:44