とりあえず今日を明日につなぐ
2007年 06月 07日
■「論座」の編集担当者T氏が書籍部門に異動になるので、新しい編集者K氏と引き継ぎをする。K氏は「週刊朝日」の編集部に長くいたそうだ。メディアの現状と今後について雑談。携帯電話が情報交換のツールとして柱となってくるのだろうが、果たしてこの方向でいいのかどうか。
■便利さを追求する果てに、どういうものが出てくるか。携帯電話が普及してからまだ、5,6年しかたっていない。今後、どうかわっていくのか、予想もつかない。携帯やインターネットでしか文字を読まない人も増えている。
紙媒体でつちかってきた文化を一方の柱として、どう活字文化を残していくか。現在はいろいろな点で重大な岐路にたっている。
■夕方、桐ヶ谷斎場で行われた作曲家の桑原研郎さんの通夜に出席。享年72。心臓発作であったという。
知り合いが亡くなることは、悲しくも寂しいことだ。50代、40代で亡くなった知り合いのことが脳裏をよぎる。死は誰もが避けて通ることのできないことではあるが、桑原さんがらみのことは楽しく愉快なことが多かっただけに、ある時代が終わった、とあらためて思った。桑原さんは本当に「人と人とをつなぐ」ことが上手な人だった。
■新しく生まれる時代は、どんなものになるのやら。いろいろ考ると悲観的にならざるを得ない。探せば明るい材料もあるのだが、いかにも少ない。それでも人は生きていく。よくよく考えれば何のために生きているのかわからないのだが、とりあえず、今日を明日につなぐ。ほとんどの人がそんな気分で生きているのだろう。
通夜のあと、ビールを飲みつつ親しい人と雑談。「このままだと日本は案外早く滅びるかもしれない」という意見に誰も異をとなえなかった。