コラム


by katorishu
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サンデープロジェクトでの自民「火消し役」のお粗末さ

  6月17日(日)
■年金問題は底なしの様相である。国民の生活に直結する問題であるし、千万単位のミスというのは異常そのもので、国民をなめきった「お上」の所業であり、徹底的に追求する必要がある。「民主主義」をうたっている社会で、官庁・公務員に対する国民の信頼をこれだけおとしめた例は空前絶後かもしれない。

■テレビなどでもこの関連の放送を見てしまう。本日のサンデープロジェクトに自民党から大村秀章議員、民主党から長妻昭議員が出て「激論」を戦わせていたが、安倍首相が「火消し役」として送り込んだ大村議員のお粗末きわまりない論にもなっていない話が際だった。終始、弁解と責任転嫁のオンパレードで、説得力はゼロ。この番組を見ていた人の圧倒的多数は唖然としたのではないか。

■安倍政権には比較的「好意的」な姿勢の見られるコメンテーターの財部氏が大村議員を怒鳴りつける場面もあった。大村議員の論旨は不明瞭で、狼狽があらわに顔に出ていた。この番組を見ていた国民も多いはずで、これによって内閣支持率の低下に拍車がかかるにちがいない。論理的で冷静に筋を説く長妻議員に対し、大村議員の逃げの姿勢は、安倍政権の象徴的姿であるのかもしれない。

■田原氏が「それで年金をおさめた国民は一人残らず救済されるのですね」と繰り返し質問をしたのに、「それは人間のやることですから、ミスもあるし」などと答えになっていない答えを繰り返す。「あきれた、これはいかん」という思いが田原氏の表情にも出ていた。銀行預金がでたらめにあつかわれて「人間のやることですからミスがある」などと銀行員が弁解して誤魔化したら、その銀行は世間から見放される。

■確か大村議員は通産省かなにかのキャリア官僚出身の議員である。官僚の劣化がいわれる中、それを目に見える形でさらしてくれた。その意味では「功績」があったというべきだろう。そういえば、自殺した松岡農水大臣も官僚出身だった。彼にかわった赤城農水大臣がまた似たような疑惑につつまれているが、彼も確かキャリア官僚出身のはず。

■この政権はもう末期の末期という気がする。積年の腐敗を浄化するため、自民党は野にくだって頭を冷やしたほうがいい。7月の選挙で恐らく与党は大敗するだろう。そうなれば解散総選挙も近いはず。そこで国民の「意志」を示し、この国は「国民主権」の国であることを官僚や与党政治家に思い知らせてやらないと、国の劣化の流れは止まらない。

■多くの「善良な」国民がこんなあつかわれようをして、なお次の選挙で仮に与党が勝ったとしたら、この国は「マゾ」の国かと思いたくなる。自民党が過去、戦後日本の復興につくした役割や意義をそれなりに評価したうえで、敢えていいたい。積年の膿を出し尽くすために政権交代が今こそ日本に必要なときはない。もちろん政権交代したからといって急に良くなるわけもないが、「最初の一歩」にはなる。
by katorishu | 2007-06-18 00:59