コラム


by katorishu
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年金支給開始を70歳にするというたくらみ

 6月18日(月)
■本日発売の週刊ポストによると、年金制度はこのままでは10年後に崩壊するので、対応策として「年金役人」たちは支給年齢を70歳まで延長するプランをもっているという。社会保険労務士の北村庄吾氏の指摘を紹介しているのだが、このままだと収支のバランスがとれず8兆円の不足になる。さらにこのまま推移すると年間5兆円の赤字が出る計算だという。

■そのためこれまでの積立金から取り崩して補わなければならないが、当然の結果としてたちまち底をついてしまう。ところが70歳から支給ということになれば、計算上は赤字にならずにすむ。そのため、厚生労働省や社会保険庁では「70歳支給」の可能性を考えているのだという。

■さらに保険料の再値上げもありうるとのことだ。なんとか国民から徴収し、集まったカネを自分たちでいいように浪費し、払う段になると、渋る。年金官僚はまさに現代の「悪代官」といってもいいだろう。そうして族議員や関連企業が肉塊にむらがる獣のように、膨大な額の年金にむらがる。安倍首相は「戦後レジーム」からの脱却を訴えているが、こういう「むらがりの構図」からの脱却こそまず第一に考えることではないのか。

■それにしても、「責任」という言葉が軽すぎる。官界、政界では死語になってしまっているのだろうか。グリンピアなど膨大なムダづかいをしながら、誰も責任をとらず、ここへきて「不明年金」が5,6000万という大ミスが出てきた。今回も、誰も積極的に責任をとろうとしない。
 本来払うべき年金をはらわずに宙に浮いたものについて、その額がどれほどになるのか、社会保険庁は具体的な数字を出さない。出すと責任をとらされると思っているのだろうか。

■長妻議員の指摘によると、柳沢大臣が「調査中」であるとして、発表を事実上とめているという。表にだすとあまりに膨大すぎて、国民の怒りにさらに油を注ぐことになりかねないので、「調査中」として逃げるしかないのだろう。当然の結果として責任回避を最優先することになる。

■目下、国民の怒りが持続しているが、果たして参議院選挙まで持続するかどうか。政府は「時間がたてば国民は忘れてくれる」という期待感のもと、投票日をずらすことを考えているようだ。いやはやである。
 もっと夢のあることに触れたいのだが、あまりのお粗末さ、いい加減さに、どちらかというと温厚な(?)ぼくでも怒る。ある種の人間は怒りを発しない人を軽く見てなめるので、怒るべきときは怒ることが必要である。

■このところ、知り合いの役者のでる舞台公演などが相次いであり、案内等を送ってもらっている。ぜひ見たいのだが、どうも時間がない。時間の経過が早すぎ、予定したことが半分も出来ていない。映画の試写でも見たい作品がある。そういえば最近「楽しみのための読書」がゼロである。もっとも、調べ取材し書くことが「楽しみ」なのだから、敢えてこれ以上の「楽しみ」を求めたいとも思わないのだが。
by katorishu | 2007-06-19 01:53