コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

TVタックルの「年金問題」は割と面白かった

 6月25日(月)
■テレビ朝日のTVタックルが年金問題をとりあげていた。途中から見たのだが、まっとうな議論を展開していて割と面白かった。
 それにしても、社会保険庁はじめ役人たちのでたらめには驚き唖然とするばかりだ。大竹まこと氏が政府の肩をもつ大村議員にかみついていた。大竹氏の庶民感覚はまっとうである。
 過日、大竹まこと氏にインタビューをした。近々、日本放送作家協会の公式ホームページの「放送人インタビュー」に載ります。ぜひお読みください。

■それにしても年金問題は底なし沼である。本来、国民の公僕として戦後日本の官僚システムはスタートしたはずである。ただ、戦後の数々の改革の中で戦前のシステムを継続したものがあった。その典型が中央集権的官僚システムである。天皇制を維持することにともない「天皇の官僚」であった官僚のシステムはそのまま維持された。内務省は解体され自治省や郵政省や警察庁などいくつかにわかれたが、「精神」は生き残ったというべきだろう。

■戦前からの伝統を引き継ぐ官僚システムの弊害が以前からいわれてきたが、ここへきて腐臭に蓋を出来ないほど顕在化してきた。国民もこうまでコケにされて怒らなかったら、マゾとしか思えない。国交省や農水省なども、点検していけば税の無駄遣いがいろいろと出てくるに違いない。

■戦後レジームからの脱却と首相はいっているが、こういう官僚無責任システムからの脱却こそまず手をつけるべきではないのか。
 どうも政権与党はまだ国民の怒りの強さを実感していない。公明党の坂口厚生労働大臣は「100年安心年金」などと国会で語ったが、現状では実現不可能である。この際だから、何兆円も海外にODAで出しているカネを削減して、年金に振り向けるくらいの大手術をしないと、国民の不信感はぬぐえないだろう。

■国民の「信頼」を国家が裏切ったことでは、終戦間際、満州で民間人を放置していち早く家族等を優先して引き上げた関東軍の指導者を彷彿させる。
 国民の怒りを次の選挙にぶつけることで、日本の劣化を食い止めないと大変なことになる。政府与党は次の参議院選挙で地滑り的な大敗北を喫するに違いない。社会保険庁の職員がボーナスを返還するなどという案が出ているが、そんな小手先の目くらましに国民はだまされないだろう。時々は政権交代があってこその「民主主義」である、と改めて思ったことだった。
by katorishu | 2007-06-26 00:56