コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

CIAが機密文書公表

 6月27日(水)
■アメリカのCIAの60年代、70年代の非合法活動に関する機密文書が公開された。CIAがマフィアを使ってカストロ議長の暗殺を企てたことなど、謀略活動の一端が公式に裏付けられた。カストロ暗殺のためにマフィアに15万ドルを払う約束もあったようだ。暗殺は失敗に終わったが、なるほどそういうこともやっていたのか、と思った。
 ワシントンポスト紙によると、このドキュメントは「ファミリー・ジュエル」と呼ばれているとのこと。

■CIAはベトナム戦争に反対の運動をしていたアメリカ人の電話盗聴も不法にやっていた。そのほかコンゴの大統領であったルムンバ暗殺計画についてのレポートもある。
 一方、アメリカのすごいところは、一定の期間が過ぎると、「国家の恥部」ともいえることでも、公開するということだ。機密文書などもふくめて文書化して保存することが、将来「歴史」を編纂する上で大事――という思想が根底にあるからなのだろう。

■ただ「9.11」以降、国民への監視も強化され巧妙になっており、言論の自由も相当程度制限されている。なにしろ、あのチャップリンを「共産主義シンパ」として閉め出してしまった歴史をもつ。元を正せば、彼の地に住み続けていたインディアンを力で追い出し、殺戮してつくりあげた国家なのである。 極めて攻撃的で暴力的な面があるかと思うと、一方で政府を痛烈に非難するマイケルムーア監督にアカデミー賞を与えたりする多様性も持っている。

■ハリウッドの「大作映画」にはあまり感心しないが、素晴らしい作品も数々つくる。面白いといえば面白い国ではある。ただ、自分たちの価値観こそ「正義」であり「絶対的に正しい」という姿勢は改めて欲しいものだ。

■一方、日本の情報機関のひとつ、公安調査庁の問題である。この機関の元長官が代表をつとめる投資会社に、朝鮮総連が本部ビルを売却するという「架空取引」が最近暴露された。なにか隠れた意図があるのか、あるいはお粗末な金儲け話が発覚しただけであったのか。この問題、背後にうさんくさいものがあるようだ。某大物議員が動いたのでは……などということも取り沙汰されている。

■「参議院選挙が近づくにつれ、週刊誌などでライバル議員やライバル政党のスキャンダル暴露合戦が活発化している。中には根も葉もないものがあるかもしれないが、「火のないところに煙は立たず」である。大いにスキャンダルや不正をあばきだす作業をやってもらいたいものだ。日本はアメリカほど情報公開が進んでいないので、ジャーナリズムや内部告発による「暴露」によってしか事実が表に現れない。事実は判断の材料として重要である。事実が一部か、あるいは加工され間違ったものであると、判断を間違う。ジャーナリズムは事実をえぐり出すことに情熱を注いでもらいたいものだ。
by katorishu | 2007-06-28 01:56