映画『キサラギ』を見たものの
2007年 06月 30日
■渋谷で映画『キサラギ』を見た。ネット上の紹介サイト、シネマトゥデイによると、次のような内容だ。
「自殺したアイドルの1周忌に集まった5人の男が、彼女の死の真相について壮絶な推理バトルを展開する密室会話劇。『ALWAYS 三丁目の夕日』で日本アカデミー賞を受賞した古沢良太の巧みな脚本を、『シムソンズ』の佐藤祐市監督が、コミカルかつスリリングに演出。小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、ドランクドラゴンの塚地武雅、香川照之という人気、実力を兼ね備えた5人が繰り広げるハイテンションな会話劇から目が離せない」
■脚本が巧みでまあ楽しめた映画だが、何かが決定的に足りない。今の時代を象徴しているのかもしれない。愚直でも洗練されていなくともいいが、胸にずしりとこたえるものが欲しい。
場所柄若い観客が多く、大いに楽しんでいたようだが、この類の映画ばかりになっていく傾向を危惧する。 今という時代を鋭くえぐる作品が少なすぎる。
■若い人が創った映画でも例えば『ゆれる』などとは基本的に違う。『ゆれる』にも『キサラギ』にも香川照之が出ていたが、『ゆれる』の演技の足下にもおよばない。
映画を製作する母体の問題でもある。とにかく「数字」さえとれれば、それで「勝ち」ともし思っていたら、大変な勘違いである。