また発覚した閣僚の「スキャンダル」
2007年 07月 13日
■近々発売の週刊誌、週刊ポストと週刊現代に、またまた安倍内閣の閣僚のスキャンダルが掲載される。週刊ポストは甘利経産相の「4000万円事務所経費」問題と長勢法相の「年金献金疑惑」を、週刊現代は小池防衛相の「テロリストとの親密関係」という記事であるとか。
■よくこうも相次いでスキャンダルが出るものである。閣僚に任命するとき「身体検査」をしなかったからだという報道があるが、それだけではない。バブル経済のころから、日本人の多くが「金権体質」になってしまい、そんな空気のなかで生まれた政治家は、そもそも「自分は政治家として当たり前のことをしただけ」と思い「悪いことをした」という意識がまったくないのではないか。
■恐らく他にも似たようなことをしている国会議員が数多くいるに違いない。権力とカネの集まりやすい政権与党の側に多いことは容易に想像できる。
インターネットなどの情報メディアの発達もスキャンダル暴露に貢献している。以前であったら「握りつぶせた」情報が、インターネットの普及で外に漏れ出ているのだろう。週刊誌がどういう方法で情報を手にいれたか知らないが、このところよく頑張っていると読者としては期待するのだが。。
■スキャンダルを封印しにくくなったのは、インターネットのプラスの面であり、本当の民主主義が日本に生まれる端緒になるかもしれない。選挙までに劣勢が伝えられる政権与党の側も必至になって野党候補者のスキャンダル探しをしているに違いない。膿があるのなら、暴露合戦でもなんでもいいから徹底的に出して欲しいものだ。
■時々は浄化のために政権交代が行われなければいけないのだと思う。いつの時代でも、どの国でもそうだが「権力は絶対的に腐敗する」ものである。
安倍晋三首相についてだが、政治家を離れたところでつきあえば、とっても「良い人」なんだと思う。いわゆる「坊ちゃん」の典型である。「坊ちゃん」「お嬢ちゃん」には二種類あり、ひつとつは、我が儘そのもので、自分の望む方向に事がすすまないと不機嫌になり、人を怒鳴ったりして他人の気持ちをおもんばからないタイプ。もうひとつは、人が良く、物事を楽観的に自分に都合よく解釈するオプティミスト。
■恐らく安倍首相は後者のタイプではないのかと思う。田中真紀子氏などは前者の典型である。安倍首相は「友達」としてつきあえば、心地よく話も弾むし楽しい人ではないか。しかし、一国を率いるリーダーとしては、オプティミスト過ぎるし、脇も甘い。
「血筋」がいい「プリンス」などといわれて、誰かに祭り上げられてしまったのではないか。苦労知らずなのである。必然的に世間知らずであり、庶民(大衆)の心知らずになっている。
■岸元首相の長女である母親の影響もあって、子供のころから政治家を目指した、と何かで読んだことがある。そのへんに、どうも問題の根っこがある。庶民の生活感を知らないか、それを閑却した政治家は、結局、庶民から見捨てられる。一応、「民主主義」の世の中なのだから、庶民の声の届く政策を展開しないといけない。弱肉強食の「ケモノの世界」の論理を辞めさせないと、さらにぎすぎすした社会になり、劣化は進む。それが「美しい国」であるはずがない。
いずれにしても、参議院選挙後、政界の大編成が起きるだろう。それによって脳梗塞のような状態になった社会のシステムを変えないといけない。今度の選挙、久々に面白いものになりそうだ。