コラム


by katorishu
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世界で孤立する日本、マスコミの責任は重い

 7月14日(土)
■海外メディアから見た日本の政治の現状について、朝日ニュースターで数人の外国人が2時間にわたって座談会を行っていた。
 世界の中で、日本がかなり「孤立」への道を歩いていることが浮き彫りにされていた。日本にいて日本のマスコミのニュースだけに接していたのでは、見えない部分が相当程度ある。今なお「島国根性」は生きているのだと思わざるを得ない。

■とくにアジアでの日本の地位は低下する一方で、かなり危機的状況になっている。なのにほとんどの日本人はそう感じていない。
「現状認識が日本は世界とかなり違うんですね」とアメリカ人の研究者が話していた。メディアに顔をだすコメンテーターが世論をミスリードしているとも話していた。

■日本は明らかに「下り坂」を転げ落ちつつあるのに、へたに「過去の成功体験」があるため、「なんとかなる」と多くの人が思っているようだ。しかし、今のままのスタンスやシステムでは「なんとかならない」のである。
 国際情勢も急速にかわりつつある。「ブッシュのアメリカ」はもう「アメリカ」ではなくなっているし、北朝鮮の問題でも日本は「パッシング」つまり、無視されて米朝国交回復が、ある日突然実現するかもしれない。

■インドをはじめ南アジア情勢も大きく変化をしているのに、日本のメディアにはこの方面のニュースはほとんどのらないし、多くの国民は関心もない。
 気がついたら、日本は「アジアの孤児」「世界の孤児」になっているかもしれないのである。当然、最大の「武器」であった経済力も著しく低下する。

■司会の葉剣英東海大学教授が「下り坂になった国の躁状態」と日本を表していたが、あたっている。
 今後の世界の主流をしめるのは、ボーダレス化に伴う「相互依存」である。そんな流れの中、敢えて「愛国主義」を訴え、他との壁を築こうとするなど、世界での孤立を深めるだけである。愛国を訴える日本の政治家は1990年代の中国の愛国主義運動とそっくりだと、何人もが指摘していた。

■周辺諸国の動きや世界の流れをよく見て、国の舵取りをしていかなければいけないのに、そもそも国際情勢の変化に対する基本認識も出来ていない政治家が多すぎる。明らかに勉強不足であり、それは顔にでている。
 今、事務所費問題で話題になっている農水相など、実家は広壮だが、当人の顔の貧相なこと。国のリーダーとしての気迫も理想も哲学もまるで感じられない。この人も典型的な「世襲議員」ですね。世襲は「中小企業の親父」程度にしてもらいたいものだ。

■選挙民ももう少し「世界の中の日本」という視点でものを考え、投票をしてほしいものである。上からの指示や指令、親しい人に頼まれたからといって「素直に」「純情に」投票する人が、とくに宗教系の「組織票」の中には多いのだろう。民主主義なのだから、自分の頭で考え自分の意志で判断をしなければいけないのだが。判断の基礎になるのは「情報」である。
 新聞とテレビに代表されるマスコミの責任は重いなと改めて思ったことだった。
by katorishu | 2007-07-15 15:55