コラム


by katorishu
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停電が現実のものになる今年の夏

 7月18日(水)
■中越沖地震で破損した柏崎市にある原子力発電所に対して、柏崎市長が停止命令をだした。運転再開までに数ヶ月を要するとのこと。クーラーなどの使用が高まる季節を迎えるので、電力使用量もピークに達するが、日本最大規模の柏崎発電所の停止によって、発電量は使用量を下回る見通しという。

■この夏、停電が現実のものとなりそうだ。日本全体の発電の三分の一は原子力発電だという。この狭い国土に20を超える原子力発電所があるとのことだが、危ないなと改めて思う。要するに電力の使いすぎなのである。都会では緑が極端に少なくなっており、ヒートアイランド現象で夏は以前に比べて暑くなっている。盛夏の季節、クーラーなしでは過ごしにくいことは事実だが、一斉に数度温度をさげるだけでも、相当量の電力を節約できるはず。

■全体的に見て、温度の冷やしすぎなのである。本日、最高気温が22,3度であったので、さすがにコーヒー店でもクーラーをつけていなかったが、どこもかしこも冷やしすぎである。国民の多くも、冷やしすぎに慣れて当たり前だと思っている。
 起きる可能性の強い停電を「警鐘」ととらえ、これを現代文明について深く考えるヨスガとすべきなのだろう。

■じっさい、現代の大量消費、大量生産の文明を改めていかないと、地上はそれほど遠くない招来、人が住めない所となってしまう。文明のシステムを根本的に変えないといけない時にきているのだが、現在の「快適で」「便利な」システムに慣れそれが当たり前と思う人々が圧倒的多数をしめている中、システムの変更はむずかしい。行き着くべきところまで行き、どうしようもない状況が「目に見える形」になるまで、このまま突っ走っていくのだろう、と思ってしまう。

■本日、BBCでイギリスの資産家が日本円にして2500億円もの大金を慈善事業に寄付したというニュースを流していた。当人はスポーツ用品のチェーン店のオーナーで自らの商才で大資産を築いたというが、本人が「資産が一部の人にひどく偏ってしまったのは、かつてなかったことで問題である」語っていた。

■アメリカや日本ばかりでなく、イギリスでも資産の偏りは顕著とのことで、人口の1パーセントの人がイギリスの全資産の4分の1の資産をもっているという。グローバリゼーションの恩恵で、富める者がますます富む社会になっているのである。
 こういう社会は極めて不安定になる。日本も「小泉改革」によって「競争原理」が導入され富の偏在が顕著になりつつある。システムを巧みに利用した人が、テコの原理で従来では考えられなかった多額のお金を得ることが出来るようになった。

■富裕層が増える一方、ぎりぎりの生活を強いられる人が増えている。いくら努力してもその日暮らしが精一杯という層は、政府の統計数字より多いと、実感する。
 イスラム原理主義者の活動が活発化しているのも、世界的に富が極端に偏在していることが大きな原因である。イギリスの富者が、こういう社会は危ういといった意味のことをいうに至った。限りあるものを「分かち合う」システムを再構築しないと、日本はどんどん住みにくい社会になってしまう。
 本日、参議院選挙で投票する候補者と党を、ぼくなりに決めた。明日あたり「期日前投票」にいってこようかと思う。
by katorishu | 2007-07-19 03:36