「朝まで生テレビ」参議院選特集、田中康夫、亀井静香、江田憲司氏の発言が面白かった
2007年 07月 29日
■1時40分から3時間にわたる討論番組「朝まで生テレビ」を見た。29日の参議院選挙がテーマで、与野党の代表者が出て自己の主張とライバル党への批判を繰り広げていた。田中康夫氏と亀井静香氏の話が面白かった。田中氏は長野県知事として行った行政の改革や税の無駄遣いにブレーキをかけたことの実績の上で発言をし、一方、亀井氏は自民党政調会長としていろいろな連立を仕掛けた人間としての体験を元に、小泉・安倍改革を批判していた。
■さらに中立的立場から、無所属の江田議員が「官僚支配」の弊害について発言していたが、説得力があった。江田氏は通産官僚出身だが、橋本内閣で内閣官房にはいり「行政改革」を手がけた体験があるだけに、これまた「権力内部」にいた者しか知らないことに基づいて発言していて興味深かった。
三人に対して他の野党、とくに社民党と共産党の議員は、確かに「言うこと」は理想的で、「きれいなこと」をいうのだが、【権力内部にいた過去を持ちその後権力からはじかれた人】の発言の重さに拮抗できていない。
■万年野党である党や、一生貧乏である人の語ることより、一時期権力にあってその後、権力から排除された人や、裕福さを味わったが今は貧乏といった類の人の言うことのほうが、面白いし人を引きつける。
光も影もともに強く体験した人間のほうが、「脚本家」の観点から見ると遙かに魅力的なのである。社民党は、党首も、この日登場した女性代議士も、弱者に味方をし良いことをいっているのだが、どうも迫力がない。政策以前に、「リーダー」としての資質に欠けている。
政治のリーダーは多くの人を引っ張っていく迫力がなければ。
■良い悪いは別にして田中角栄元首相など、リーダーとしての資質100パーセントの人であった。ドラマなら主役にはとうてなり得ない「素材」がリーダーでは、決して主役(政権)を手にすることはできないだろう。政治とは、「説得する」力でもあるのだから。別の言葉でいえば「扇動力」、これが特に社民党の人たちに決定的に欠けている。昔の社会党には浅沼稲次郎とか土井たか子氏とか「説得力」や「扇動力」にたけた政治家がいたのだが。
■与党の自民党と公明党の二人の議員のいうことは、弁解ばかりでほとんど説得力をもたなかった。他の党が「実力者」や「論客」を出してきたのに、自民党はほとんど無名でディベート能力も知識も劣るとしか思えない若い議員を出してきた。なぜ、もっと論客を出してこなかったのか理解に苦しむ。
■自民党の実力者はつっこまれて恥じをかきたくないと思って、テレビ局側の出演要請を断ったのだろうか。劣勢が伝えられる中、翌日の選挙運動に支障をきたすと思ったとも考えられる。自民党としては、ホンネでは、こんな番組をやって欲しくなかったに違いない。この番組を見て、ますます与党に投票する気をなくした人が増えたに違いない。
■本日は隅田川花火大会。複数の浅草在住の人から誘いがあった。いずれもマンションの高層階に住んでおり、部屋やベランダから花火が見える。10数人が集まってお酒を飲みながら歓談するので面白いに違いない。参加したい気分が動くが、敢えて断ってシコシコ原稿書き。
■昨日は月に一回の放送作家協会理事会に出席したあと、渋谷での勉強会に。月に一度、行われている「勉強会」というより、楽しく語る会。メンバーが回り持ちで得意の分野について「講師」となって話す。今回はカミサンが川柳について講師となった。川柳の歴史と時実新子流の「現代川柳」とサラリーマン川柳などの「諷刺」が柱の川柳について1時間ほど話し、あとは前もって参加者が作った川柳の選句。そのあと、主催しているS氏のオフィスで、一人1000円をだしての恒例の飲み会。
■広告関係者が多いが、能の狂言師や舞台女優や灯台を専門に撮っているカメラマンやイッセー・尾形の海外でのマネージメントをしているフィンランド人がいたりと、面白いメンバーである。ここ数ヶ月欠席していたので参加した。
隅田川花火のほうも行けば楽しいに違いないが、二日続きとなると「持ち時間」がどんどん少なくなっている中、無理ですので、悪しからず。
■明日(28日)は参議院選挙。自民党大敗がメディアで伝えられているが、強い危機感のもとかなり盛り返すのでは、という情報もある。野次馬根性で敢えて予測すると――自民党42議席、公明党11議席。
外交官出身で3期目を目指す知り合いも出ているのだが、かなり危ないとの予測。人間的にはとても善い人だが、所属する党の政策にぼくはついていけない。でも、頑張ってください。