コラム


by katorishu
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官邸の「妖怪」の去就で安倍内閣の命運が決まる

 8月23日(木)
■週刊朝日の最新号が「官邸バトルの内幕」という特集を組んでいるが、面白い。ジャーナリストの上杉隆氏のリポートによれば、官邸内の「妖怪」と称される井上補佐官が、安倍首相の支持率低下に一番貢献したようだ。

■高卒で国鉄にはいり、総理秘書官に成り上がるまで、学歴社会日本では相当の苦労があったはずである。苦労が「人間通」につながるといいのだが、井上秘書官の場合、どうもちがうようだ。コンプレックスの裏返しなのか、井上秘書官はとにかく威張りたがるらしい。

■上杉氏のリポートを読む限り、こういう「威張りたい」人物を側近中の側近にに置いていること自体、安倍首相の指導力が疑われる。虎の威を借る狐という言葉があるが、まさにそのコトワザを地でいったようなことをしている。安倍首相の判断ミスのかなりの部分はこの方の「おかげ」といっていいようだ。首相のマスコミでの「振り付け」の相当部分を担っているとのことだが、見事なまでに的をはずしている。
 おかげで安倍首相のかかげていた「憲法改正」はなくなったというべきだろう。

■ぼくはガチガチの護憲派ではないが、この曖昧な憲法の「利点」を今後とも「日本の独自性」として、もっと有効利用すべきだと思う。拡大解釈、拡小解釈を巧みにつかいわけて、対米外交の「武器」として使うのである。
 国際政治において「ナイーブ」というのは「バカ」と同義語である。したたかに、しなやかに、時に敵の懐に飛び込み同調すると見せて一歩距離を置いたり、はなれると見せて接近したり。要は、「アメリカの押しつけ」でできた憲法なのだということを、最大限生かすことで、「アメリカに向かって切れるカード」にすべきである。

■本日希有の偶然があった。北千住の脚本アーカイブズの準備室の当番であったが、必要があって国際メディアコーポレーションのT社長に電話をした。T氏は今年6月にアメリカから帰ってきたばかりだった。
 夕方、そのT氏と北千住駅構内のトイレの前でばったり出会ったのである。「香取さん」とよばれて見ると、T氏が立っていた。えっと思った。忘れ物をして脚本アーカイブズの準備室にとりに戻ったり、近くの喫茶室にはいり、さらに構内の本屋をのぞかなかったら、会うことはなかった。数秒の違いで会えなかったのである。1000万人を超える巨大人口都市東京で、こういう出会いからはなかなかあるものではない。「奇跡的な偶然」と言い合ったものだった。

■偶然というのは面白い。偶然には良いlことと悪いことがある。交通事故もほとんどが偶然の出来事であるが、悪い偶然が重なると死に見舞われる。逆に良い偶然に見舞われると、例えば宝くじで一等に当選ということもある。
 幸か不幸か、極端に良い偶然も極端に悪い偶然にも出会わない。

■自宅近くの焼鳥屋で、カミサンの知り合いの元編集者の女性をまじえ、歓談。彼女、5年余りの上海滞在を終えて帰国したばかりだという。日本のマスコミは中国の実情をあまり伝えていないとのことだ。良くも悪くも中国である。冷めた目で隣国で今何が起こっているか、今後どうなっていくか、見ていきたいものだ。
by katorishu | 2007-08-24 00:27