コラム


by katorishu
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国会開会、解散総選挙が近いのでは……

  9月10日(月)
■参議院で与野党が逆転したあと初めての国会である。本来「非政治的」人間のぼくでも、最近は、政治に強い関心をもつようになっている。社会のシステムがうまく機能していない証拠であり、「なんとかして欲しい」というより、「何とかしなければ」という気分になっている。

■国会で安倍首相が所信表明演説を行った。全部聞いたわけではないが、テレビなどのダイジェストで見る限り、新味に乏しいし、国民のために何かをやってくれるという期待感はもちにくい。安倍首相は「美しい国」を鮮明に打ち出して総理になったのだから、あくまでそれを貫くべきなのである。それがダメなら、辞めて、他の人や党に国の最高指導者の座を譲る。そういう潔さがないのである。

■初の「戦後生まれ」の総理といわれたが、不祥事ばかりが相次ぎ、それにふさわしい清新さが感じられない。テレビの画面を見る限り、相当疲れている……という印象だ。さらにズタズタになって退陣に追い込まれるのではないか。あるいは、「乾坤一擲」解散という「伝家の宝刀」を抜くかもしれない。与党の中でも孤立を深めているようであるし、「だったら」と「意地」を出す可能性を捨てきれない。もちろん素人考えでそう思うのだが。

■ところで、安倍首相の「産みの親」である小泉前首相はあいかわらず黙りを決め込んでいるが、この状況をどう見て、何を思い、どう感じているのだろう。何らかの発言をすべきではないのか。
 安倍首相は「テロ特措法」の一点に絞り込み、「テロ特措法」を継続できなければ、国際貢献をできず日米関係が悪化するとして、民主批判の風を呼び起こそうとしているようだ。小泉前首相の「郵政選挙」の再来を期待しているのかもしれない。

■しかし、多くの国民は、この法律への関心は薄い。そもそもこの法律を延長することの積極的意味を、政府は十分説明していない。
 安倍首相はどうも多くの国民と感覚がずれている。生活不安にさらされている国民は増える一方で、年金や保険の問題等々、先行き不安だらけである。この問題に果敢に取り組む姿勢を見せなければ、多くの国民の支持を得られない。

■小沢民主党党首は、政治の非情さを身をもって知っている政治家だし、長く「冷や飯」を食ってきたので、ここぞとばかり安倍政権を追い込むに違いない。特措法で妥協するのでは……という観測もあるが、政権とりに最後の「賭け」を試みようとしている小沢氏が、そう簡単に妥協するとも思えない。テレビの解説者が、小沢氏について「血を見たライオン」と形容していたが、その通りで、一気に追い込んでいくだろう。

■民主党が政権をとったからといって、すぐに日本が「良くなる」はずもないが、本当の意味での「改革」をするなら、とにかく政権交代である。衆議院の「数の力」で強行採決を繰り返してきた与党は、今後、ツケを払わされるはずである。郵政選挙で大勝したことで、与党政治家はどうも国民を「御しやすい烏合の衆」と思ってしまったようだ。ぼくも含め日本の国民がそれほど賢いとは思えないが、与党政治家が思うほどバカではない。
by katorishu | 2007-09-11 00:56