コラム


by katorishu
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狐と狸の自民総裁選 

9月13日(木)
■円谷プロが「身売りする」というニュースを読んだ。2代目社長の円谷氏とは懇意にしていただき、専務のT氏とも知り合いであった。社長が死亡したあと、ほどなくして「坊ちゃん社長」が誕生して間もなく内紛がおこり、特撮監督であったT氏も追放され、週刊誌の記事になったりした。映画制作の制作費が負担となって経営が悪化した……とのことである。同族経営の弊害が出たのではないか。戦後エンターテインメント業界に大きく寄与した円谷プロのために残念なことである。

■「坊ちゃん首相」安倍晋三氏の突然の辞任を受け、自民党の総裁選びが流動的になってきた。当初、麻生政権誕生に傾きつつあったが、一日で流れが変わった。福田元官房長官が浮上し、勝ち馬に乗ろうする議員がどうもそちらに雪崩をうつように傾斜しつつあるようだ。なんとなく見えてきた構図として――安倍首相ではじり貧になると危惧した自民党の長老クラスが、「お坊ちゃん」である麻生氏をけしかけて、まず安倍首相をひきずりおろさせ、ちょっと麻生氏が調子にのったところで、足払いをかけた……といったことはないのかどうか。

■老獪さは、自民党が長年かけて培ってきた政治テクニックである。狐と狸の化かし合いのようなもので、高見の見物をしていると、面白くなくもない。
 で、最後に笑う者は誰なのか。笑ったとしても、民主党という壁が迫っている。ところでこうも連日、マスコミで報じられると、結果として自民議員の「大PR効果」となり、支持率などに微妙な影響をあたえるに違いない。

■それにしても、「小泉チルドレン」と称される若い議員たち。ひさびさにテレビで顔を見たが、内容のなさが顔に表れている人が多いことに改めて驚く。ごく一握りの議員をのぞいて、「チルドレン」と称される人たちは、ほんとに「何かの間違い」で代議士になってしまった人たちである。顔はその人の「履歴書」でもある。一目見ただけで、どのように「生きてきたか」がわかってしまう。

■精神のありようはかなりの程度、顔に出るものである。彼らは「駒」の一枚として使われてきただけである。なんとかタイゾウ議員など、なんの政治哲学ももっていないし、断片的に漏れ聞こえてくる言葉を聞いているとお粗末そのものである。こんな人に票を投じた国民の知性を疑う。出来るだけ早く解散総選挙を行い、自分の言葉で政策を語れない人、政治理念、政治哲学のない人を国会から追放して欲しいものだ。
by katorishu | 2007-09-14 01:41