コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

福田康夫氏の「堅く暗い顔」は自信のなさの現れ?

  9月23日(日)
■東京はようやく涼しくなり「例年並み」にもどった。毎年毎年「記録的な暑さ」を更新すると、この先どうなってしまうのか。気候温暖化で日本は熱帯に限りなく近づくのではないか。
 仕事の打ち合わせで久しぶりに三軒茶屋にいく。時間があれば三軒茶屋シネマなどで古い映画を見ようかと思ったが、以前、いきつけのコーヒー店で原稿を書く方をとった。「ワーカーホリック」といえばいえる。

■自民党総裁選挙は、予想通り福田康夫氏が勝った。ただ、対抗馬の麻生太郎氏が197票とったことは今後「福田政権」に響いてくるだろう。外国特派員協会での両者の「討論」の模様を昨日、一部テレビで見たが、麻生氏のほうが政策がはっきりしており、良い悪いは別にして「筋」が通っていると思った。
 
■福田康夫氏の「答え」は答えになっていないし、曖昧に誤魔化すことが多かった。ソフトな印象であり、自民党の旧来の派閥均衡の大臣でかため、小泉改革にブレーキをかけるのでは……と思われ、当初、世論調査では60パーセント近い支持率をとるかもしれない。しかし、説明責任が問われる場面に遭遇した場合、あの曖昧さでは、切り抜けられるのか。福田氏も今後の政権運営の難しさを自覚しているのか、総裁に選ばれたときの顔は強ばり、暗かった。

■内外ともに難題をかかえている日本の舵取り役としては、心許ない「宰相」だ。来年春に衆議院解散、総選挙と考えている政治家が多いようだが、そこまでもつかどうか。
 参議院で与野党が逆転したことで、これまでの自民党政治では対処できない。自民党がかつて経験したことのない「新しい事態」が待っているのである。

■福田氏もまた「世襲政治家」の弱さを見せてしまうのではないか。泥まみれ汗まみれになって「勝ち上がって」きた政治家とは、胆力が違う。小泉政権の官房長官は、「小泉純一郎」という特異なキャラクターがいたので、比較的無難につとまったが、自分が矢面にたつと、どうなのか。

■政治評論家などは、「小沢さんは(福田政権出現で)やりにくいだろう」といっているが、「海千山千」の策士、小沢一郎とは、役者が二枚も三枚も違う。国会で答弁につまる「福田首相」の姿が目に浮かぶようだ。田中角栄元首相は福田赳夫と争って総裁選挙に勝ち、首相になった。総裁になったときのテレビ中継を覚えているが、角栄氏は自信満々で、手をあげ得意げに周囲を見廻していた。良くも悪くも、これぞ一国のリーダーという風貌をもっていた。

■福田氏にはそんな田中角栄の片鱗もない。一方、小沢氏はそんな田中角栄から、「人の動かし方」や権謀術数等々を学んだはずである。勝負はおのずから明らかである、と思うのだが。
 断っておきますが、ぼくは民主党シンパでもなく、時々は政権交代をすることこそ民主主義の定着のためにぜひとも必要と思っている「無党派」の、一国民です。
by katorishu | 2007-09-24 01:04