コラム


by katorishu
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 安倍首相の記者会見

 9月24日(月)
■午後、睡眠不足なので仮眠したあとテレビをつけると、慶応病院での安倍首相の記者会見がはじまるところだった。現れた安倍首相は相当疲れた印象で、病後というより、病中といった様子だった。未だ入院中なので「病中」での記者会見である。

■首相在任中に、とにかく国民に訴えたいという気持はわかるが、あまりにも弱々しく、形だけの会見といわざるを得ない。「美しい国」と「戦後レジームからの脱却」を標榜して、戦後生まれ初の首相として登場したのだし、参院選で惨敗後も続投すると強い意志を示したのだから、最後まで初志を貫くべきだった。

■最後の力を振り絞って、「国民には受け容れられなかったけれども、私の主張は間違っていない。不幸にして病気で倒れてしまったが、他の人が私のやれなかったことを引き継いでいってもらいたい」程度のことをいえば、「男」もあがったのに。
 自ら語る体力がないのであったら、一部を代読してもらってもよかった。この方にはまともなスピーチライターもいないのだろう。

■日本の政治も、複数の作家的資質をもったスピーチライターを傭ってアピールをすべき時期にきている。国民の声を常に聞くとともに、為政者の意志を的確に国民に伝え、説得する技量が求められている。一人の人間の出来ることには限りがあるので、優秀なブレーンを置き、知恵をもらう必要がある。これまでの自民党政治はブレーンが官僚であった。しかし、「学校秀才」の彼らだけでは複雑多岐な国際政治を乗り切ることはできなし、国内問題の解決にも有効ではない。

■次の首相が選ばれるまでは、安倍氏は日本国の最高指導者である。首相代理もおかないで、やっていくのだったら、ポーズであったとしても、「指導者」の顔を保たなければいけない。こんな意志薄弱で胆力のない男に日本国の運命をまかせていたのかと思うと、肌寒い思いがする。人の真価は引き際や逆境のときに出るものである。

■安倍首相は参議院選挙で惨敗したとき、責任をとって直ちに辞任すべきであった。さらにこの人を総裁・総理に選んだ自民党員たちは自らの不明を恥じるべきだろう。本来なら、衆議院を解散して民意に問うべきである。やがて福田政権が誕生するが、なるべく早い時期の解散、総選挙を期待したいものだ。それが民主主義の常道である。
by katorishu | 2007-09-24 23:16