大相撲、このままでは衰亡の一途
2007年 10月 06日
■大相撲の時津風親方がやっと「解雇」だという。あきらかにリンチによって死に至らしめたことであり、「稽古」の範囲を超えている。厳しい稽古は必要だろうが、根底に弟子に対する愛情がなければ、指導者の資格がない。旧軍隊の兵営での新入り兵士へのリンチと同じレベルのものであり、こんな連中がやっている「国技」であったらいらない。
■「伝統」は大事だが、「伝統を守る」という美名のもと、関係者だけの「既得権益」に連綿としているケースも多い。今回の事件は、その悪しき面が浮き彫りになったということだろう。理事長は居残るようだが、責任を感じているのなら、辞めるべきだろう。大相撲は今、重大な岐路にたたされている。そのことへの自覚が欠けている関係者が多すぎる。
■テレビ朝日映像で6時間ほどぶっ続けの打ち合わせ。バブル経済のころ、よくこの種の打ち合わせに出たが、「真剣度」は今のほうが強いようだ。古代史に焦点をあてたものであり、娯楽番組と違うので、自ずとスタッフの気質も違うのかもしれない。
■特に20代、30代の若い人が「真面目」。テレビを支える人も変わったなという思いを新たにする。「浮いたところ」がないのである。それが、果たして良いことなのか、悪いことなのか。結果はテレビに現れた画面で判断するしかないのだろう。普通の「ドラマ」ではなく、ゴールデン枠では珍しい「硬派」の番組であるからなのか。
■終わったのは0時近く、タクシーで送ってもらったが、運転手に聞いたところ「景気回復」の感覚はまったくないという。近々タクシー運賃が値上げになるが、するとますますタクシー離れが進み、どうなることかと心配していた。数十年前と比べ、街そのものはきれいになったが、どうも漂う空気が暗い。
■若者が減って老人が増えたということも一因なのだろうが、社会が暗いからこそ、「ばかばかしい笑い」がテレビなどで幅をきかせているのかもしれない。昭和初期の「エログロナンセンス」時代に似てきたようだ。そのあとに一気に軍国主義に傾斜していったのだが。
今の日本は、どこへ向かっているのか。ぼくの見るところ、すでに「漂流」しているという印象である。