懸念されるインフレの波
2007年 10月 13日
■小麦や石油の価格があがっている。小麦は10パーセントの値上げだが、輸入価格は14パーセントで農水相が介入して(補助をだして)10パーセントにおさえているのだという。パンやうどんなど小売り価格に転嫁され、ほかにも徐々に波及してきている。バブル崩壊後、ずっとデフレ傾向が続いていたが、今、インフレが世界で進行しつつある。
■何か機会があれば値上げしたい小売店、メーカーなどが多いはずで、あっちもこっちも値上げしているとなると、便乗値上げもでてくるだろう。エコノミストで相愛大学学長の高橋乗宣氏によると、世界ではこれまで経験したことと違う次元のインフレが進みつつあるのだという。値上げのきっかけは世界的な材料高であり、日本では、低金利政策がまねいた「過剰流動性」が悪く働き、日本はこのインフレの最大の被害者になるという。
■途上国では物価があがれば賃金もあがるが、日本はこれら途上国と競合しなければならないので、賃金があがらない。これら途上国に囲まれ、賃金の下押し圧力をもろに受けることになり、暮らしは下向きだが価格は上向きという、悪いシナリオが待っているというのである。
■インフレになれば、真っ先に生活を直撃されるのは、値上げを他に転嫁できない人、つまり低所得者やかつかつに暮らしている年金生活者である。彼らの生活はインフレによって破壊されてしまう。一方、膨大な財政赤字を解消するには、インフレが特効薬と考えているエコノミストや官僚もいる。確かにインフレが進めば、実質的に赤字額は減るが、それによって多くの国民が窮地においつめられるのである。 世界同時進行で進むインフレに、日本政府や金融当局などは有効な手だてをうつことができるのか、かなり懸念される。
■喉の咳がつづく。新橋から赤坂に。某大学教授、同業者らと意見交換したが、絶えず咳がして困った。新橋駅広場に面する薬局で咳止めを買って飲むと、すこしよくなった。よく眠ることが最大の「治療」になるのだが、これがうまくいっていない。で、本日も予定していたことがはかどらないまま終わる。