コラム


by katorishu
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「秀吉神話をくつがえす」は面白い

 10月30日(火)
■秋は読書週間であると共に演劇の季節でもある。いろいろな所から演劇の公演の案内を送っていただいている。時間の許す限り見に行きたいのだが、なにぶん、時間が許さないもので、多くは欠席となりますが、悪しからずご了承ください。

■「秀吉神話をくつがえす」(講談社現代新書・藤田達生著)を興味深く読んでいる。世に流れている「太閤記」関連のことは「神話」であり、現実とはずいぶん違っているということを検証した労作である。秀吉は貧しい農民の子……というのが定説になっているが、藤田氏によれば秀吉は賤民的な「非農業民」に出自をもつとのこと。そのため、情報収集能力にすぐれ、その能力を存分に生かしたからこそ、信長のもとで譜代におとらぬ出世をとげたのだという。

■仕事の一環で読んでいるのだが、示唆に富んだ論考を展開していて面白い。歴史は繰り返し書かれるべきもので、だからこそ昔が今に生きているのである。
 ところで早くも10月は終わりに近づいている。「貧乏暇なし」で、本日も大井町のコーヒー店を何軒かまわり計6時間ほど仕事。資料の読み込みに大半の時間を使った。資料を読み込み、想をふくらませている時が、一番楽しいようだ。

■改めて強調するまでもにないが、本を読むのはじつに楽しく面白い。昨日のテレビ朝日の「TVスクランブル」に出た弁護士が話していたが、小中高の教師の半分ほどは月に一冊も本を読まないとのことだ。漫画は週刊誌は「本」の範疇にはいらず、これを除外しての統計であるが。
 そういう人が「教える」といって、何を教えられのかと思ってしまう。読むことは考えることにつながるし、イメージの翼を広げることが出来る。そういうことをおろそかにしている「教師」に教われば、読書などに興味をもたず、かえって反発する若者が増えるのも当然である。
 月に一冊も本を読まない教師は即刻辞めてもらいたいものだ。
by katorishu | 2007-10-30 23:35