コラム


by katorishu
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「小沢辞任劇」アメリカの影はないのかどうか

 11月5日(月)
■本日、新聞テレビは「小沢一郎辞任劇」を大きく扱っている。公に「辞任する」といった以上、小沢氏は民主党の代表を辞めるに違いない、と思っていたところ、どうも形勢がかわってきた。 民主党は5日午後の緊急役員会で、小沢氏が進めた自民党との大連立構想は認めないことを前提に、慰留に努める方針を確認した、という。

■これに対して、小沢氏は「心の整理が必要」として回答を保留した。小沢氏が翻意する可能性がある……とのことだが、ではなぜ、いきなり「辞める」と公言したのか。解せない。自民と民主党の「大連立」の仕掛け人は読売新聞の主筆である渡辺恒雄氏と中曽根元首相のようだ。それに森元首相がからんで、福田首相と小沢代表に働きかけたとか。
 「労害政治」はまだ生きていたのか、と驚く。

■国会を開会したものの、法案が何一つ通らない状態は問題だが、だからといって「密室」の「談合」のようなもので極く一握りの人間が国の政治の方向を決めるというのは、民主主義と相いれない。「談合政治」「政界材の癒着」から脱皮し、真に国民のためになる政治をと、「政権交代」のできるよう動いてきたはずの小沢氏は何を血迷ったのかという印象を与えた。

■ただ、「策士」小沢一郎である。ヤンチャ坊主が自分の意見が通らないから「やーめた」というような辞任表明をするであろうか。参議院選挙で大勝し、少々「いい気」になっている民主党の議員にショック療法を与えたりの深謀遠慮があるのか――と思ったりもする。それとも、隠された何かがあるのかどうか。木曜発売の週刊誌が、やや楽しみである。

■それにしても小沢一郎氏、辞めると宣言したあと、慰留されたからといって、やめない、というのでは、求心力も減退するだろう。民主党に政権担当能力がない、と公言したのである。ここはいさぎよく辞めて、別の議員に代表になってもらったほうがいい。
 離党して10人以上の議員を引き連れ、自民党に合流――という意見もあり、それを恐れるために民主党幹部は慰留につとめているのだろうか。

■自民党の中には民主党にいったほうがいい議員がいるし、民主党の中には自民党にいったほうがいい議員もいる。政権交代可能な「二大政党」政治を実現するためにも、早く政界再編をしたほうがいい。その上で政官財の癒着の構造を崩なければ。
 マスコミは何も報道していないが、背後にアメリカの影があるのかどうか。イラク特措法関連で小沢氏のとった行動にブッシュ政権は苛立っているはずである。

■本日は「小沢問題」を中心に4時間以上もテレビを見てしまった。「TVタックル」でハマコー氏が「日本はアメリカの植民地なんだから、どんな無理をいわれても従うしかない」と極論を吐いていたが、一面の真理をついている。「現代のローマ帝国」アメリカにどう距離をとるかが、日本政治の核心である。「民主分裂・崩壊」があるとしたら、背後にアメリカの影があるのでは――と疑ってみることも必要である。例の防衛省の「汚職疑惑」も吹き飛んでしまった。
 今度の「騒動」でホッと安堵の息をついている一人は、守屋前防衛次官であろう。
by katorishu | 2007-11-06 02:20