小沢民主党首辞任・留任劇。ミュージカル映画「ドリームガールズ」のような感動からはほど遠い
2007年 11月 07日
■昔から「文弱の徒」であり「非政治的人間」であったのだが、この10年ほど政治に興味をもたざるを得なくなっている。現代社会をどうとらえるか、置かれている立場などによって違ってくるのだろうが、ぼく自身、日本社会の劣化がすすみ、このままではどうしようもなくなる、と危機意識が強くなっている。
■ひところ「昭和元禄」などという言葉が流行った。昨日よりも今日が、今日よりも明日が「良くなる」という実感のもと、国民の多くが浮かれて生きられた時代のことを象徴的に表した言葉である。国民の多くが若々しく、エネルギーにあふれていた。当時もいろいろと問題があったのだが、今のように深刻ではなかった。
■何が深刻かというと、問題の解決の道筋が見えないということである。道筋を作る原動力になるのは「政治」の力である――と実感したころから、政治に強い関心を持たざるを得なくなった。
で、本日も政治劇に触れざるを得ない。小沢一郎氏が辞任を撤回した。うがった見方をすれば、これで民主党内の引き締めにはなったし、それが狙いであったのかと思ったりもする。
■民主党の議員は、小沢党首にどうしてもとどまってもらいたいと「お願い」をしたことで、今後、小沢党首の意向に反対できなくなる。それをも見込んで辞任劇を演じたとしたら、なかなかの策士といえるのだが。
本日、DVDでアメリカのミュージカル映画「ドリーム・ガールズ」を見た。最近、脳が疲れているときはミュージカルを見ることにしている。この作、試写会にいくつもりでいけなかった。その後、アカデミー賞を受賞したが、なかなか見る機会がなかった。
■本日、見て素直に感動できた。黒人3人のコーラスガールズの物語で、なにより歌唱力の高さと心をゆさぶるリズム、メロディなどに感嘆する。演出もキレがよく、盛り上げ方が実にうまい。政治の世界の面妖さに比べ、ミュージカルは単純率直、明快で心地よい。