コラム


by katorishu
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株価下落、危険水域にはいった日本経済

 11月12日(月)
■株券など1枚も保持したことがなく、株取引なども無縁の人間だが、株価の動向には強い関心をもっている。株価は経済の先行きを読む重要な指標であるのだから。本日、日経平均は今年最安値更新を更新し、1万5197円となった。

■危険水域に近づいてきているといっていいだろう。「竹中・小泉改革」で景気は持ち直したというが、中国経済の急成長に引っ張られた面が強いし、一般国民に「景気の実感」が感じられない景気など、回復とか持ち直したなどといえはしない。大半の国民は大企業の恩恵を受けていないところで、青息吐息で生きているのである。

■今度の低落はアメリカのサブプライムローンの破綻の余波であり、相当深刻と見ていいだろう。この問題が本当に深刻化するのは来年だが、早くもその兆しが目に見える形で出てきた。株取引をしている人や証券会社などが損をするだけなら「自業自得」であるとして、対岸の火事のように思っていればいいのだが、この問題は早晩、庶民の生活を直撃する。

■石油価格や穀類の価格もあがっているし、便乗値上げも出てきているようだ。そのうえ、財務省の思惑をくんだ政府は、来年、増税に踏み切ろうとしている。例の自民、民主の「大連立」の背後に、大増税へのもくろみがある、と指摘するエコノミストもいる。

■小泉改革の一環である派遣法の改正により多大な恩恵をうけた大企業が、世論の批判を回避させるため、ようやく勤め人や下請けへ恩恵の一部をまわす機運も一部で出てきたのだが、それもしぼんでしまう。株価低落で、儲かっている企業は防御の姿勢をとり、さらに末端の人間を絞り上げるに違いない。
 それにしても防衛利権に投じられる巨額の税金。そのほか数々の政官財の癒着で失われる税金等々。こうした一部特権層による専横に怒りを発しない人間は、癒着の恩恵をうけている人か、よほどのマゾヒストに違いない。

■本日、大田区久が原で取材。閑静な住宅街にあるテラス風の優雅なカフェで話を聞いた。旧総理官邸を思わせる豪邸の一階の一部と地下をつかっており、家の持ち主の夫人が恐らく「趣味で」開いているカフェのようだ。夫人みずからウエイトレスとしてお客にお茶をはこんできたりする。サロン的雰囲気もあり、お客は一時でも豊かな気分になれる。金持ち層がこういうことにオカネを使ってくれるといいのだが。このあたり田園調布の住宅街につらなる一角で戦前から住んでいる人も多く、恐らく昔の「土地持ち」なのかもしれない。金銭へのあくなく我執や妄執にかられて儲けに走る「にわか成金」とはちがって、こういう「奇特な」人が増えてくれると少しは町の空気も浄化されるのだが。
by katorishu | 2007-11-12 18:01