船場吉兆、底なしの同族経営
2007年 12月 10日
■テレビをつけたら船場吉兆の偽装表示事件で、一族の経営者がひたすら頭をさげていた。記者会見で、息子の経営者に母親の取締役が、小声で答えるべき言葉を話しそれをマイクがひろっていた。
■こんな息子が経営者なのだから、早晩、破綻するのは目に見えていた。この会社、取締役全員が「家族」であるという。街の総菜屋さんなどであったら、家族経営もほほえましいが、船場吉兆といえば、それなりの影響力をもった会社なのだろう。外部の厳しい目がはいらず、世襲のバカ息子(娘)が跡を継ぐとくなロクなことはないという典型例である。
■ぼくはこの類の料理屋にはいかないし、この類の店で売っている高価な品も買わないので、直接は関係ないが、見ていてみっともない光景だと思った。船場吉兆でもっとも悪質であったのは、取締役が指示して偽装をしたのに、当初アルバイトのやったことだなどといって責任逃れをしたことだ。経営者としてモラルのかけらもない男である。この一事で、この経営者は即刻退陣すべきである。高級ブランドで売っていただけに、ダメージも相当なものだろう。
■あるいはつぶれるかもしれないが、つぶれたとしても、自業自得でだれも同情しない。路頭に迷う従業員は気の毒だが。
どうも、経営者とか指導層の劣化が目立つ。上がいい加減なら、下がそれに習うのは世の常である。国語力の低下もひどくなっているし、どうも「人間力」が落ちている。このままだと、日本は先進国の座からすべり落ちてしまうかもしれない。
■経済的には落ちても、「武士は食わねど高楊枝」の気概はもっていて欲しいものだ。私見によれば、バブル経済のころから精神的な劣化が進んだようだ。「団塊ジュニア」あたりが、その影響を一番うけていてブランド志向も強い人が多いのではないか。生まれたときから、厳しい時代に直面する子供たちに期待するしかないのかもしれないが、さてどうなりますか。
■風邪をまたひいてしまった。不規則な生活のツケがきているのかもしれない。青山で仕事の企画の打ち合わせ。種をまいてもなかなか実らないというのも、疲れることである。芽がでなくては花の咲かせようもない。土壌はまだ枯れていないはずなのだが。