コラム


by katorishu
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年金問題、無責任役人の象徴

 12月11日(火)
■年金問題で名寄せできず特定できない年金が1975万件あるという。呆れてものも言えないとは、こういうことをいうのだろう。払ったのに記録がない。これは例えば銀行に定期預金をしていたのに、記録が消えてしまったので支払えないというのと同じことで、国家の信用を著しく損なうことである。

■社会保険庁の役人がこの件で誰も責任をとっていないことが腹立たしい。無駄な施設に莫大な年金資金を注ぎ込み、ゴミ捨て場に捨てるようなこともしていたが、その責任をだれもとらない。ゼネコンや一部政治家もからんで「甘い汁」をすすったはずである。

■過去にさかのぼって社会保険庁の、特に幹部クラスの役人には退職金を返納させるくらいのことをしなければ、多くの国民は納得しない。天下りでさらに我欲をむさぼってきた官僚も少なからずいるはずである。こういうことにシメシをつけないから、あとから生まれてくる世代に説得力をもって、世のため人のために……などといえなくなる。

■これも長年にわたって一つの党が政権を担ってきたことによる「おごり」や「ゆるみ」が一因である。政界官界を浄化する上でも、政権交代は必要である。
 昼間、久しぶりに新宿に出て、中村屋の3階でランチを食べながら編集者と仕事の打ち合わせ。中村屋というと、自然、チャンドラ・ボーズや相馬黒光のことなどが浮かんでしまう。ここのカレーは逸品で昭和30年代から食べているが、久しぶりに食して、なるほどと思わせるものがある。

■以前であったら、打ち合わせのあと映画でも観て暗くなるのを待って、例えば新宿ゴールデン街などに足を運んだであろうが、その気力がない。第一数十年前と客層がかわってしまった。漫画家の滝田ゆうさんとか作家の田中小実昌さんとか、中上健次等々、多士済々の人たちが集っていた時代は終わってしまった。時の流れといえば、それまでであるが。

■そういえば以前、ゴールデン街の酒場で会って歓談した亀山郁夫さんは東京外語の学長になったのですね。最近、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の新訳をだされ、好評だとか。時間があれば、一度読んでみたい。最初は米川正夫訳で読み、ついで池田健太郎訳で読んだと記憶する。ロシア語で読み始めたこともあるが10ページほどしか続かなかった。
by katorishu | 2007-12-11 22:49