コラム


by katorishu
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 また「タレント候補」ですか

 12月12日(水)
■大阪府知事選挙にテレビタレントの弁護士、橋下氏が出馬するという。いったん強く否定しておきながら、出馬するという。そのたびにマスコミは動き、露出度は増す。マスコミに露出することを狙っていたと勘ぐってしまう。マスコミ、とくにテレビで名を売った人間が選挙に出るケースが多い。テレビで顔を知っているので、有権者はなんとなく「親しみ」を感じて一票に投じる人も多いのだろう。

■「親しみやすさ」とか「知っている」ということと政治家としての資質があることとは別である。名の知られたタレントであるために票をとり当選していくことは、「人気取り政治」に堕する傾向に拍車をかけるだけである。大阪には5,600万人の人が住んでいると思うが、その中には現状をしっかりと把握し、より多くの人が幸せに少しも近づける政策をもっていて、さらに実行力も備えた人もいるはずである。

■政治の仕事は国民からとりあげた税金を「どう使うか」につきる。橋下氏が「地方政治」について日頃から勉強をし研究を深めていたりしていたか、わからない。あれだけ連日、タレント並にテレビに出ていては、まっとう勉強もできないだろう。しゃべりはうまいが「学」が顔に出ていない。選挙は人気投票とは違うのである。下馬評では橋下氏が当選――という観測強いが、さてどうなりますか。

■昨夜、北千住からの帰り、都営浅草線に乗ったとき、隣の席の乗客と前の二人の乗客が皮製のブックカバーをした本を読んでいた。どんな内容の本か知らないが、まだこうやって本を読んでいる人もいるのだと、やや安堵する。日本が上り調子のころ、外国人が日本の電車などに乗って驚くことは、多くの乗客が本を読んでいることだという。これが知力をたかめ、日本の復興の原動力になったのである。

■電車を乗り越して、別の電車にのったところ、今度は前に坐った女子高生6人とサラリーマン風の男2人、計8人のうち7人が携帯でピコピコやっていた。自分自身もときに携帯メールを使ったりするが、前に坐った人のほとんどが携帯のキーをおして見入っている光景は異様に見えた。

■携帯小説なども流行で、若い人が「文字を書く」習慣が身につくとして評価する人もいるが、どうなのか。携帯で記す文字は決まり切った常套句が多く、豊かな日本語の語彙はほとんどは使われない。その場で役立つ情報を送受信するには役立つが、国語力アップにはつながらないのではないか。
 5年、10年もすれば、さらに新しいツールが出現し、2007年ごろは、こんな光景が電車の中の日常風景だったんだ――といわれるかもしれいない。昨日咳がつづき、辛かったが、珍しく7時間近く一度も起きずに連続して眠ることができた。こういう日は、世界が明るく見える。
by katorishu | 2007-12-13 14:28