コラム


by katorishu
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100歳の父が娘に殺される(?)時代

 12月24日(月)
■70歳の長女が、どうも100歳の父を包丁で刺し「無理心中」をはかったとの記事があった。100歳の父は深夜の徘徊などがあったとのことで、「介護疲れ」が原因なのかどうか。
 外部からの侵入の形跡がないことから、長女の差した可能性が強いという。長女も重傷とのこと。いたましいことである。

■高齢化社会をむかえ、今後これに類したことが頻発する可能性が強い。国家的プロジェクトとして取り組まないと大変な事態になる。「団塊の世代」がいなくなる(と思われる)30年後あたりは「少子高齢化」の問題はやや緩和されるかもしれないが、これから10年、20年、日本社会はかつてない事態に直面する。目下、そのための有効な処方箋がないどころか、年金問題などシステムの欠損がぼろぼろでてきている。

■現在、比較的若い人もいずれは老いて、他人の厄介になったりするようになる。これまでは「順送り」に若い世代が老いた世代の面倒を見てきて、それが「当たり前」であったのだが、80年代あたりから様相がかわってしまった。恐らく戦前生まれの人口が半分以下に減ったころから、大きくかわったのではないか。

■「自己責任」などという言葉がよく使われるが、若い世代が老いた世代を見るという「伝統」「慣習」が息づいていた時代を生きてきた人に、突然「自己責任」といっても気の毒である。
 個人の「防御策」など、時代の大きなうねりのもとでは、なんの力にもならないことは、歴史を読めばよくわかる。戦後60年余りのような時代がいつまで続くかわかりはしない。バブルやハイパーインフレが起これば、大多数の個人の蓄えた資産など雲散霧消jしてしまう(逆に急増する人もいるだろうが)。

■国の安全保障は何も軍事力だけではない。国民の安全を保障できなくて、国のに安全保障もないものである。今後、襲来してくると思われる内外からの「嵐」に、国家がどう防御をはり国民を守るか。為政者は、よくよく知恵をめぐらせて考えて欲しいものだ。

■本日、「政治お笑い番組」の「テレビタックル」をちらっと見たが、時代劇になぞらえ現役議員がちょんまげを結って、下手な台詞をしゃべる姿は、見るに堪えられなかった。(役者が演じるのはいいのだが)「政治を国民に近づけた」という点があるにしても、ああいうお笑いで戯画化して政治を語ることが、果たして政治を良くすることに役立つのかどうか。

■「お笑い番組」として見ればいいのだろうが、あの類の番組でしか政治に接することのない視聴者には強い影響を与えるに違いない。笑いとばすのであったら、もっと風刺とブラックユーモアをきかせて欲しものだ。少なくとも現役議員が羽織袴で「役者」のように出演して大見得を切ったりするのはいただけない。内心得意然としている心理が見えてしまい、下品に見えてしまう。テレビと政治に今もっとも欠けているのは「品」である。
by katorishu | 2007-12-25 00:13