コラム


by katorishu
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ブット元パキスタン首相、暗殺。パキスタンが新たな中東の火だねになる 

 
12月27日(木)
■前夜、咳が激しくなかなかなおりそうにないので、近くのクリニックにいった。熱もなくただ咳が長い間つづいているというと、医師は即座に「いま流行っているんですよ。特定の人にしかかからない咳で、ひとつの薬しかききません」とのこと。ウイルス性の病気で、ある種の抗体のない人がかかり、とにかく長期間にわたって咳がつづくのだそうである。

■このクリニックのベテラン医師は診断が素早く的確である。デジタルの記録が残っており、1年以上前に、ここで処方薬をだしてもらった。このときも、長い間咳がつづいた。一回に数種類の薬を飲むことになった。病気にほとんどかからないので、病院等にいくことは睡眠薬をもらう他ほとんどないが、長引く場合は早めにいったほうがいい、と思ったことだった。すでに咳止めの売薬など数種類買ったのではないか。

■決して少なくない健康保険料を払っているのだし、風邪でも医療機関を利用したほうがいいのかもしれない。風邪さえもひかないほうがいいことはいうまでもないが。
 番組制作会社をやめ脚本家を目指すという以前の教え子と、文楽に興味をもち三味線を習うとともに数日前、博多まで日帰りで文楽をみてきたという女性と、カミサンもまじえ近くの蕎麦屋で会食。

■日頃の癖がでて、文化論をぶつ羽目になってしまった。映像論についても話したが、二人の若い女性の心には届いたと思いたい。
 帰宅してテレビをつけるとパキスタンのブット元首相が自爆テロで死亡したとのニュース。ブット女史が参加した選挙集会で起こったことであるという。パキスタン人民党の広報官によると、ブット女史は車に乗り込むとき銃撃され、さらに自爆テロをうけたとのこと。

■イスラム過激派のテロ、という観測も流れている。あるいはブット首相が選挙に勝っては困る現政権の示唆があったのかどうか。ムシャラフ現首相とブット氏との間で提携の動きが見えてきて、それをアメリカが歓迎していた。その観点から推測すると、やはり反米をかかげるイスラム原理主義者のやったことなのか。

■いずれにしても、自分の意にそわない人物を力で抹殺する行為には、強い怒りを覚える。ましてブット氏は独裁権力者ではなく、パキスタンの混迷を救うと期待されていた人物である。パキスタンは核兵器保有国であるだけに、次にどのような政権ができるかは、世界の安全保障にとって重大な影響をおよぼす。
 パキスタンが、近々、新たな中東紛争の火だねになるかもしれない。ここに火がついたら、国際情勢は一気に緊迫の度を加える。核兵器をもつ国は、とにかく怖い。

■ブット首相暗殺の速報につづいてNHKのBSでサブプライムローンのルポを放送していた。この問題の最大の難しさは、「実態がわからない」ことであるという。実態がわからないから、政府も金融機関も有効な手のうちようがない。この余波で銀行の貸し渋りが起こる可能性があり、消費はシュリンクし、悪くすると世界恐慌になる恐れがなきにしもあらずである。そうならないことを切に望みたいものだ。

■今年もあと数えるほどしかない。書かねばならない原稿がいろいろとあり、昨日も新たに「注文」が入ったので大晦日も元旦も執筆ということになりそうだ。安い稿料とはいえ、仕事があることは幸いであるというべきか。
by katorishu | 2007-12-27 23:56