コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

比較的よく読む実名ブログやメルマガ

 1月26(土)
■寒い日がつづく。気持ちまでが「寒く」なっており、どうも気が晴れない。これはインターネットなど文明の利器の普及せいである、ということにしておこう。そう思いつつ、こうやってインターネットを利用して、誰に頼まれたのでも誰に乞われたのでもなく、ブログを記す。習慣とは怖いもので、記さないと何かを忘れているような気がしてしまう。30分ほどの短い時間で記すので誤字脱字も多い。
 毎日記している人のブログで、数人のブログを比較的頻繁にのぞくが、みんなよく書くものだと感心する。匿名より、実名で記している人のブログのほうをよく読む。

■その中の一人、有田芳生氏の『酔醒漫録』は有田氏の日々の行動を具体的に記しており、氏がどこで誰とあい、何をしたか……などがわかるようになっている。気になるのは、氏が会って話したり食事をしたりする相手の実名と店の名前などを具体的に記していることだ。中には有田氏とどこそこであって話したりしたことを公にされたくない人もいるのではないか。

■以前、共同通信の本社ビルの食堂で有田氏にあい名刺交換したことがある。国際関係のジャーナリスト、田中字氏と共同通信の編集委員らが主催する「台湾問題研究会」の席だった。思い返せばちょうど有田氏が「歌姫」テレサ・テンの伝記を執筆していたころで、そのため参加したにちがいない。当時はまだブログが登場していなかったのではないか。

■有田氏のブログを読むと、次の総選挙に新党日本から出馬するようで、党首の田中康夫氏らとの会合も記されている。移動の合間や喫茶店などで、氏はよく読書をしているが、夜はほぼ連日、居酒屋などで飲んでいる。いろいろな人に精力的にあい、じつによく呑み語っているようだ。穏やかな風貌、姿勢であり、それほど若くもないのにエネルギッシュである。政治家を目指す人は、とにかくエネルギッシュでなければいけないのかもしれない。ぼくなどには逆立ちしても出来ない芸当である。

■最近ブログでよく読むのは「小泉内閣」のとき、外務省に反旗をひるがえして辞めた天木直人氏。エジプト大使であったとき、イラク戦争に反対し、辞めざるを得なかったと記憶する。恐らく外務省内では「あのバカが、せっかくのキャリアを棒にふって、迷惑なことばかり放言して」などといわれているに違いない。
 一種ドンキホーテ的果敢さは、小利口な生き方をする人が圧倒的に多いなか、珍重にあたいする。

■匿名ブログでは、「ヘアメイク」を仕事としながら(と自称している)《反権力》の過激な論調を展開する「きっこのブログ」と、これとは対照的に「国粋主義的」というか「右派論客」の論と似た論を展開する「博士の独り言」を、比較的よく読む。「安倍晋三応援団」の趣の濃い独在住の評論家、クライン孝子氏のブログと、逆の立場の政治評論家、森田実氏のブログも時折眼を通す。

■メルマガでは、国際情勢についての独自の分析を展開する田中字氏のものと、作家の村上龍氏が発行しているJMM [Japan Mail Media]にときおり乗るアメリカ在住の冷泉彰彦氏によるUSAレポートが面白いし、「なるほど」と思う論や情報を提供してくれる。
 
■最新のレポートで、冷泉氏はアメリカの「変化」について触れ、こう記す。
「現在のアメリカは不安感の中に立ち止まっているのは確かです。ですが、そこには荒々しい衝動、つまり不安が恐怖にそして憎悪に転じるような気配はありません。アメリカは問題を抱え、変わろうとしている、つまり過渡期に入ったのは間違いないのですが、どうも今回は過去の前例とは違うようなのです。言ってみれば、アメリカは敵を探すことができずにいるのです」

■「過去の前例」とは、不安になると何か敵をもとめ、その敵に対して攻撃的になることで不安を乗り越えようとするアメリカの傾向で、常にアメリカはそんな衝動に陥りがちであるのだが、今回はどうも違うという。
 泥沼状態で戦費ばかりが膨大に費消されていくイラク戦争の失敗や、サブプライムローンに端を発した景気後退が、アメリカ人の自信を喪失させ、きわめて「内向き」に傾いているようだ。国民が一斉に躁状態であったのだが、それが終わって「鬱」の症状にはいったということだろう。
 こっちは、どうも「躁」状態がないのに「鬱」の状態にはいっているようだ。「加齢」故の生理現象と思うことにしよう。
by katorishu | 2008-01-27 00:06