コラム


by katorishu
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日本の政治家に見習って欲しいアメリカ大統領選、候補者の演説力

 2月6日(水)
■3000人が働くという楽天タワーが最近できたせいか、よくいくコーヒー店がこみあい、以前のように執筆作業がしにくくなった。品川シーサイドにある4軒ともこんできているのである。店にとってはありがたいことに違いないが。で、大井町まで歩いてコーヒー店にはいり資料読みと原稿執筆。

■どうも気分がのらず、本日発売の週間新潮をよんだり、仕事に関係のない本を読んだりする。早めに帰宅してテレビでアメリカ大統領選の「スーパー・チューズデイ」のニュースなどを見た。ヒラリー氏とオバマ氏がほぼ互角で、目下「引き分け」といったところか。大統領になるまで長くエネルギーのいる選挙戦を戦い抜く気力と説得力をためされる。並の能力で出来るものではない。

■日本の首相が選ばれるプロセスに比べずっとわかりやすいし、多くの国民が選挙フェスティバルに参加しているという意識をもてるに違いない。企業献金を禁止され、個人献金に頼るというのも、選挙を身近なものにさせる。日本が見習うべきことである。最後にものをいうのは資金力とメディアでのアピール力であるが、アメリカ大統領選の場合、影でこそこそやらないのがいい。

■大統領がかわれば多くの官僚もかわり、政治が一新されたという意識を多くの国民が抱く。ヒラリー氏にせよオバマ氏にせよ大統領に当選したら、アメリカはかわったという印象を世界にあたえるに違いない。「チェンジ」をかかげるオバマ氏にぼくは注目している。オバマ大統領なら、アメリカの変化を実感できると思うのだが。
 ところで、これだけメディアがとりあげるので、本選になった場合、ヒラリー氏かオバマ氏のいずれかが大統領にすんなりなるかというと、どうもそうでないようだ。

■アメリカは民主主義を標榜しているものの、男女差別、人種差別は依然根強く残っている。女やアフリカ系の人間が大統領になるこを望まない層が、相当数いるようだ。仮にオバマ氏が当選なら、ケネディ大統領のように暗殺という事態も起こりうるとのこと。だからオバマ氏が大統領になって欲しくないと本気で思っている黒人がいるようだ。依然としてアングロ・サクソンとユダヤ系の白人の力が強いということである。キリスト教原理主義も強い力をもっているので、どうなるかわからない。

■いずれにしても、ヒラリー氏とオバマ氏、二人とも演説が実にうまい。二人とも姿勢がよく何より声がいい。俳優と同じで政治家も「声」の要素が大きいと、かねがね思っている。政策とか理論とかは、有能なブレーン、参謀がいればいいのであり、多くの人々の共感を得るためには、力強い声でアピールする力がなければダメである。もちろん論理力で裏打ちしていなければいけないが。

■その点、先の大阪府知事選挙で、民主党は完全に候補者の選定を誤った。テレビで民主党候補の学者の演説を一声聞いただけで、これはダメだと思った。声に力がなさすぎる。
 声と眼に力のない俳優の舞台は見ていてイライラするが、政治家の演説も同じである。年金問題で名をあげた民主党の長妻議員など声に力があり、「この人にまかせたらなんとかなる」という思いを抱かせる。民主主義社会ではそれが大事なのである。

■日本の政治家も、オバマ氏やヒラリー氏の堂々たる姿勢と発声法に学んで欲しいものだ。その点、小沢一郎氏はダメですね。「師匠」の田中角栄の演説は大変魅力のあるものだった。民主党は力強く政策をアピールできる声のいい人を党首にしないと、政権はとれないかもしれない、と外野席から「無責任に」思うのだが。
 田中角栄がらみで、大変興味深い「情報」を得た。「プライバシー」に触れることなので、もちろんここでは記せない。世の中、外から見ているのと、中とは違うものだなア、とつくづく思う。幸せに見えることと、幸せであることとは、違うのである。
by katorishu | 2008-02-07 00:09